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40kルール解釈 - ダイスロールの高速化

2020.11.28 14:20

WARHAMMER 40,000 の醍醐味でもある大量のダイスを使用した一斉攻撃に不可欠なルール「ダイスロールの高速化」。

シンプルゆえに肝心なルールを見落としていませんか?


今回は最も基本的なダイスロールの高速化の処理について、関連するルールの解釈、解説をしていきます。



【はじめに】

当ブログのルール解釈および解説はあくまで個人による非公式なものですが、これまで私が実際にゲームをしてきた中で生じたルール解釈の齟齬や不明瞭だった点について「私的な先入観や現行ルールに記載されていない過去版の慣習を廃し、公式から発行されているルール文を一語一句そのまま読み取って突き合わせて解釈した場合どうなるか」検証した結果を紹介していきたいと思います。


「元々ファジーなゲームなのだから細かい部分ハウスルールで解決すれば良い」というのはもっともですが、ルールに規定されているものをそれに則らずにその場その場で決定していくと、他のルールとの矛盾が生じたり、せっかくの策略やアップグレードが本来の価値通り機能しなくなるというアンフェアな戦いになってしまうことが想定されます。


あくまで私的な解釈記事にはなりますが、できる限り公平にバトルを進行するための一助になればと考えています。


なお、本記事での解釈における矛盾点や

ご意見等ありましたら

Twitterアカウント @G26_mini

までご連絡いただけますと幸いです。



それでは今回の本題です。



【今回のポイント】

「ダイスロールの高速化」が適用できるのは

ヒットロールとウーンズロールまで。

それ以降はダイス1個ずつ処理を行なう。



【通常の戦闘処理】

まず、ダイスロールの高速化ルールについて触れる前に、コアルールに従った通常の戦闘処理の流れをおさらいしていきましょう。

戦闘処理の流れは、射撃攻撃も白兵攻撃も細かな違いはありますが概ね共通しており、


まず攻撃対象となる敵ユニットと、

攻撃する兵と武器を選択してから

1) ヒットロール [手番側]

2) ウーンズロール [手番側]

3) 攻撃の割り振り [相手側]

4) セーヴィング [相手側]

5) ダメージの処理 [相手側]

の順で攻撃を解決していきます。


例えば兵1体が種別アサルト2の武器で攻撃する場合は、上記の処理をダイス1個ずつ、2回最初から最後まで繰り返します。


この程度であればすぐに終わりますが、兵10体がアサルト2の武器で攻撃する場合は20回この手順を最初から繰り返すことになり、膨大な時間がかかってしまうため「ダイスロールの高速化」というルールがあります。



【ダイスロールの高速化】

ダイスロールの高速化は、8版ではコアルールに収録されていた処理方法ですが、色々と紛らわしかったのか単にスペースが無かったのか9版ではコアブックにのみ記載されています。


有料書籍の内容なので詳細は割愛しますが基本的には8版コアルールに記載されていたものと概ね同じで、最も注意すべきは

高速化できるのは「ウーンズロールまで」

ということです。


例えば20回の攻撃を高速化で処理する場合、

1) ヒットロール

2) ウーンズロール

までは高速化して20個のダイスを

1回に纏めて振って処理できます。

そして仮に半分の10個がウーンズロールを通過して残ったとすると、

3) 攻撃の割り振り

4) セーヴィング

5) ダメージの処理

については、

ダイス1個ずつについて3→4→5の処理を10回繰り返す

必要があります。



・ウーンズロール以降も高速化すると?

ウーンズロール以降を高速化した場合の不都合で、最もわかりやすいのはダメージ値がD3やD6などランダムな攻撃を複数回行なう場合です。


例えば全てを高速化で纏めてしまい、セーヴィング、ダメージの分配まで終わって、ダメージ値D3の武器でランダムなダメージ値を決定したところ2ダメージ1個と3ダメージ1個が出たとします。


ここで攻撃を受けるユニットの兵が【傷】3で、2体以上で構成されるユニットだった場合、


ケースA:ダメージ値2→3の順で解決

攻撃を受けたユニットの被害は、

1体目:合計5ダメージを受けて戦死

2体目:無傷

となります。


1体目の兵が最初の2ダメージで【傷】1

となり、次の3ダメージで【傷】0以下

となります。

【傷】0を下回っても攻撃1回のうちの余剰ダメージは次の兵には持ち越されないため、2体目以降の兵はダメージを受けません。



ケースB:ダメージ値3→2の順で解決

この場合、攻撃を受けたユニットの被害は、

1体目:最初の3ダメージで戦死

2体目:次の2ダメージを受けて残り【傷】1

となります。

1体目の兵が3ダメージを受けて戦死、その後2体目の兵が次の2ダメージを受けて残り【傷】1となります。


これらを1個ずつ解決していた場合は順番が明確になるのですが、上記の通り、纏めて振ってしまった場合はどちらを先に処理すべきかのその場の解釈で結果が大きく変わってしまいます。



また、さらに面倒なのが攻撃する側の武器の能力値が全て同じでも、

攻撃を受けたユニットの中の1体目と2体目の兵のセーヴィング値が異なる場合

です。


先程同様ウーンズロール以降纏めて処理したとして、

ケースA:2ダメージ→3ダメージで1体が戦死した場合ではなんの問題も生じませんが、

ケースB:3ダメージ→2ダメージの順で解決した場合は、

1体目のセーヴィング値で通過してしまったダメージが2体目に適用される

ことになり、セーヴィング値が正しく解決されなくなってしまいます。



【補足】

ここからは上記の攻撃処理に絡む補足です。


・補足:高速化してはいけない例外

一方でヒットロールを高速化してはいけない例外的なケースも稀に存在します。

帝国プラズマ兵器のオーバーチャージ等にみられる「ヒットロールで出目1が出たら攻撃した兵自身が戦死する」タイプの攻撃です。


これはダメージではないので、攻撃の割り振りの原則である既に【傷】が減っている兵に自動的に割り振られるルールは適用されません。兵の残り【傷】が1だろうと2だろうと撃った兵自身が戦死します。


また、ラピッドファイア等により1体が2回以上射撃した場合の出目が2個とも1だった場合、戦死するのはその1体だけという点にも注意が必要です。


このヒットロールを纏めて振ってしまうとどの兵の攻撃がどのダイスなのかわからなくなってしまうため、1体分ずつ個別に振るか、纏めて振りたい場合は例えば兵数分だけ色違いのダイスを用意してダイスと兵を1対1で識別できるようにしておく等の工夫が必要です。



・攻撃対象の選択と攻撃の解決

少々紛らわしい処理になりますが、

攻撃の解決は攻撃1回ごとに行なうが、攻撃対象のユニット内から射線/射程内にいる兵がいなくなったとしてもそのユニットへの攻撃は継続できる

という点にも注意が必要です。


攻撃の処理は「攻撃対象の選択」と「攻撃の解決」の2工程に分けられ、ユニット全体として攻撃対象を選択した後に、実行すべき攻撃の解決を攻撃1個毎に処理していくことになります。


射線および射程の確認はこのうち前者の攻撃対象の選択の工程に含まれ、コアルールP.18 攻撃対象の選択の項目に下記の通り、攻撃対象の選択を行なったタイミングで射線/射程内にいれば、攻撃の解決の段階の射線/射程に関わらず攻撃は継続できる旨が記載されています。

また、コアルールP.18 攻撃の割り振りにおいても射線/射程外の兵にも攻撃を割り振ることが可能である旨が記載されています。


【おさらい】

・ダイス1個ずつ攻撃を解決するのが原則

・高速化できるのはヒットロールと

 ウーンズロールまで

・攻撃の割り振り以降はダイス1個ずつ

 処理を繰り返す




以上、「ダイスロールの高速化」に関するルール解釈でした。