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喜雲寺 KIUNJI

「読書から学ぶこと」【11月1日放送分】

2020.11.28 22:10

読書の秋です。本を読むことには様々な効能があると思いますが、今日は2つ。

 

1つめは、人生を豊かにしてくれる

2つめは、多様な視点を持つことができる ということです。

 

まず1つめ。本を読むことで教養が深まり、人生が豊かになるということ。

私たちは、知識が増え教養を学ぶことで、人生を楽しむ選択肢が増えます。

例えば、ワインの知識を学ぶことで、文字の羅列にしか見えないレストランのワインリストが、産地、ブドウ品種、作りて等、意味のあるものに見えてくるようになります。

ワインリストと同様に人生は選択の連続です。豊かに楽しく生きる選択肢が増えることは大切なことです。

 

そして、もうひとつ、本を読むことでの効能は、「多様な視点を持つ事」です。

人は気づかないうちに、見たいものを見たいように見てしまいます。

例えば、卍のマーク。

これは、日本では地図記号で寺を表し、台湾では食堂を表しますし、お隣の青森県弘前市では市のシンボルマークになっています。

しかし、ヨーロッパでは、右卍の形はハーゲンクロイツと言って、「人種差別」をイメージさせます。

卍といっても所詮はマーク。そのマークが良いものなのか、悪いものなのか?勝手に人間がイメージをつけているのです。

本を読み教養を深めることで、物事の見方が多様であることを知ることができます。

 

私たちは、物事のイメージを変わらないものと考えて、そのイメージに縛られて、苦しんでしまうことが往々にしてあります。私は禅の僧侶ですが、禅は、物事のイメージが多様であることを理解しつつも、それぞれのイメージから一時的に離れる修行なのです。

 

読書の秋です。たくさんの本に触れて楽しんでいただきたいと思います。