NY2_憧れのMOMAとヨーコ・オノ
メトロポリタンミュージアムに続き、憧れのMOMAへ!!!(^O^)
素晴らしい美術館の成り立ちには、必ず歴史や政治が絡んでいる。
なぜなら人間にとって、「美しさ」とは愛でるべき価値のあるものだから。
美の殿堂と呼ばれるフランスのルーブル美術館、
ロシアのエルミタージュ美術館、ヨーロッパにある王立の美術館は
その国のお金持ちがその時代に贅沢につくらせた「美」を中心に
貴族的世界のコレクションがたくさん保存されている
一方、王族も貴族も遺跡もない新しい国アメリカは
「現代アート」をコレクションし、定義し、発展させることで、
歴史から解放された「今」のアーティスト達とアートの中心でありつづけ、
歴史的文化的なヨーロッパ、パリから新しい価値観を生み出す街、
NYというブランドをつくった。
どの本で読んだかは忘れたが、
武力で戦争に勝っても、負けた国の国民は、
敗戦したことに納得できないが、
圧倒的な美・文化を見せつけられた時には屈服し、羨望し、
服従しようと思うそうだ。
敗戦したばかりの豊かなアメリカ文化に憧れた日本もきっとそうだし、
鎖国後の日本もそうだし、縄文時代に隣の部族と戦ったときも
きっとそうだったんじゃないかと思う。
圧倒的に憧れる文化をつくる。
これを政治的にアメリカは行ってきたからこそ、
NYにおいて現代アートが発展し、
「これがアート?」と世間がざわつくようなものに価値がつき、
新しいものの見方に大衆は熱狂し、
誰もが知っているものほど素晴らしいという
アンディ・ウォホール的POPカルチャーが世界爆発的に広まったのでしょう。
その現代アートの殿堂が、MOMA。
第二次世界大戦前後の作品から、今を生きるアーティストの作品が
世界中からコレクションされ、「美しさ」だけでなく、
人類の生きる意味や、世界で起きている問題にフォーカスし、
様々な表現方法や思考を通ってアウトプットされている。
アート作品には、直感的な気持ちよさと
その作品をもつパワーからどんな読み取り方を自分でするか、
考えて消化する楽しみがある。
美味しそうな食べ物を、目でみて興奮し、
口の中にいれてさらに感動し、咀嚼して飲み込み、
自分のなかでその美味しいという思いを巡らせるのと似ている。
おいしいと「なんでこんな美味しいんだろう」「にんにくが味の決め手か」と
思案するような感じ。
いい音楽も、美しい女優も
「なんでこんなにXXなの~♡」となること、
この「なんで」が現代アート鑑賞の肝である、
「なぜだと思う?」と問いかけるのがアーティストなんだろう。
MOMAにはたくさんの「なんだこれは」が広がり、
素晴らしいオーディオガイドにより、視点のアドバイスと予備知識を貰い、
さらに深くまで潜っていけるようになっているので、
通常の美術館以上にオーディオガイドが必要で、時間も必要になる。
できれば、鑑賞した後に「ありゃなんだったんだ」をゆっくり整理する時間も必要だろう。
咀嚼が必要な作品から、誰しもがしる「うおー」な作品まで、
2日にわけないと頭がいっぱいになるほど、
すんばらしいキュレーションでアート作品が並んでおりました。
ちょうど私たちがいく数か月前にリニューアルオープンしたばかりであり、
インフルが猛威を振るい、コロナ大流行前のタイミングということもあり、
展示室はかなりゆったりと見れ、贅沢な時間を過ごすことができました。
私的なハイライトは、
ロシアのエルミタージュ美術館で見た「DANCE」を
MOMAでも続いて見れたこと!
エルミタージュ美術館には、マティスの作品がたっぷりコレクションされていたのですが、
セルゲイ・シチューキンというロシアの富豪がマティスのパトロンだったからとのこと。
ちなみに、
NYのMoMA所蔵作品がダンスⅠ、
ロシアのエルミタージュ所蔵がダンスⅡです
そしてJAPANが誇る超有名人、
ヨーコ・オノの詩が作品として飾られているところを見れたこと!!!
今回のホテルにチェックインするときに名前を書いたら
「あら、ヨーコっていうの?」「私ヨーコオノのインスタレーション大好きよ」と
レセプションのマダムに声をかけられ、
「世界のYOKO、ありがとう・・・」と感慨深くなったところでした。
しかし、きちんと彼女の詩を目の当たりにしたのはMOMAが初めて。
そして日本語の詩が飾られ、訳はなし。完全に日本語わかる人しか楽しめないじゃんこれ!
と20くらいの額に入った1つ1つの日本語の詩を読む。
でも、意味不明。物語がはじまるような気がして即、なんか指示されて終わる。
そうこれは彼女の「想像芸術」と言われるインストラクションアート(指示芸術)の作品。
オノヨーコはアイデアの指示のみ提示し、鑑賞者が想像する。
想像=imagine そうジョンレノンのあのスーパー名曲へつながるわけです。
どっひゃー
私はいままでヨーコさんの何もわかっていなかったことがわかり、
帰国して彼女の詩集を1万5000円で購入し、
想像芸術の奥深さに「ううむ」とうなるのでした。