「気持ちを言葉に置き換える」放課後等デイサービスみのりⅡ
10月のSSTは、「気持ちを表す言葉を増やそう」という題でした。
こみ上げてくる気持ちを言葉に置き換えて整理整頓していく力は、時間をかけて少しずつ身についていきます。
「自分の言葉で表現できない」
「作文の書き方が簡潔すぎる」
「何に怒っているのかわからない」
といったことがあります。
周りの大人が、本人の言葉をきちんと聴いたり、代弁や補足をしていくことが不可欠です。
普段の療育のなかでも、気持ちや体験を分かち合えるよう、子どもやスタッフの気持ちを表す言葉を交わすようにしています。
「どんな気持ちだった?」
「悔しい気持ちと悲しい気持ちかな?」
「見ていて嬉しくなったよ」
などなどです。
どんな気持ち?と聞くときは、2つ以上答えられるように促すことも大切です。
「悲しさ」「悔しさ」「怒り」などが混じり合っているとき、「悲しい」だけで置き換えようとすると腑に落ちないからです。
また、気持ちが湧くときは、必ず体に変化が起こっています。
それらを感じ取れる場合は、「肩に力が入る」「胸が踊る」「胸がつぶされそう」「頭が真っ白になる」などと、感覚を言語化することも有効です。
「悲しくて悔しい気持ちだ」と言われたら、「悲しい気持ちと悔しい気持ちなんだね」「 ~ だったから、悲しくて悔しいんだね」などと、そのまま受け止めたいところです。
子どもの言葉は、大人から見ると「おかしい」「そうじゃないでしょう」と感じることがあります。
しかし、本人にとっては、そう感じたことは事実です(言葉の使い方を間違えているようであれば確認が必要ですが)。
「嬉しいのが当たり前」「怒りを感じるなんておかしい」といった言葉はかけないようにしたいです。
感じてはいけない感情はありませんが、手当たり次第に感情を表出するのでは人間関係に支障をきたします。
感情は、表現する場面や方法を選ぶことを教えていきたいです。
「ストレス解消法」といったものは、たくさんありますね。
それらを使用して、嫌な気持ちが楽になるのなら、それでもよいでしょう。
嫌な気持ちを軽くさせるような方法も、ご要望や必要があれば、教えたり、ご本人と一緒に考えたりしていきます。
基本的には、気持ちを避けたりせずに、気持ちと向き合う力を一緒に育てていきたいという思いです。
すぐには効果が出ませんが、地道に経験を重ねていくものと考えています。