心は錦 ノボロギク
2020.12.05 21:00
(2020/11/29 青森市)
野襤褸菊(のぼろぎく)
キク科キオン属/多年草
野原に咲くボロギク(襤褸菊)で『野襤褸菊(のぼろぎく)』。
ボロギクは小川の近くで咲くサワギク(沢菊)の別名で、その白い綿毛を襤褸(ぼろ)に見立てたもの。結果、野に捨てられてボロボロになったような物悲しい名前になってしまった。
『襤褸(ぼろ)』とは、かつて貧しい東北の農家が自分達で作り、着て、裂けたり穴が空いたらつぎはぎして直し、ボロボロになったら布を細かく裂いてから又織り直して(裂織)、そうして大事に大事に布を使い込んできた文化からできた言葉。
襤褸は着てても心は錦。
話をノボロギクに戻しまして。
ヨーロッパ原産で明治初期に渡ってきた外来種。
春〜夏咲きの花とモノの本には紹介されているが、晩秋の土手でたれパンダのように地べたにペターっと腹這いした姿で茎と葉を広げて咲いていた。春夏はもう少しシャキッと立っているらしい。
春や秋を見分けて花開く植物には、気温ではなく日が長くなったり短くなったりする変化を感じる能力がある。これを光周性と呼ぶ。
春に段々と日が長くなるのに反応することを長日性、開花するものを長日植物。その逆に、秋に日が短くなっていくのを感じ反応することを短日性、開花するものを短日植物と言う。…(植物だけに)豆知識。
おそらく、このノボロギクやオニノゲシ等の春も秋も咲く植物には光周性がなく、気温で咲くタイミングを測っているのかも知れない。
帽子を被ったような黄色い花弁はこれ以上広がらずに、やがて綿毛が生える。
別名のオキュウソウ(お灸草)はこの花の形をお灸に見立てたもの。
花言葉:相談/一致/合流/遭遇