心臓
心臓
心臓は、握りこぶし大の大きさで、重さは約250~300gになります。
(身近なもので例えるなら、リンゴ一つ分が同じグラム数に相当します)
心臓の働きはいうまでもなく、血液を全身に配送し、また回収する点にあります。
身体にとって要であり、血液を循環させることで生命を維持する、とても複雑な作りの臓器となります。
◻️心臓の仕組み◻️
心臓の上部付け根(心基部)
大血管が出入りする所となります。
心臓の下部の尖っている所(心尖部)
心臓は、胸骨第2~5肋間に位置し、縦隔のほとんどを占めています。
心臓は、大動脈と肺動脈の基部を両側から包むように、耳たぶ状の部分で、左心房に左心耳、右心房に右心耳があります。
▹心臓の内部構造
心臓の内部は4つの部屋に分かれています。
・右心房 ・右心室
・左心房 ・左心室
※房とつくのは小さい部屋という意味を表します。
▹心臓に関わる膜
心臓には、心臓を守るための膜があります。
内側にあるのが心内膜、外側にあるのが心筋となり、心臓を覆う膜を心外膜といいます。
1番外側の膜を線維性心膜といい、この間の膜が心膜空と呼ばれ心膜液で満たされており摩擦を防ぐ形となっています。
▹心臓にある4つの弁とは
心臓の内膜には、心内膜がひだ状に伸びていて4つの弁を作り、血液の逆流を防いでいます。
心臓を水平に切ってみると…
①右心房と右心室の間にあり3つの弁尖からなる三尖弁
②左心房と左心室の間にあり2つの弁尖からなる僧帽弁
こちらの2つを合わせて房室弁といいます。
③肺動脈の基部にある肺動脈弁
④大動脈の基部にある大動脈弁
こちらの2つを合わせて動脈弁(半月弁)といいます。
◻️心臓の働き◻️
心臓は、身体全体の血液を循環させるポンプの働きをします。
1分間の心臓の拍動数→心拍数といいます。
平均心拍数 約70回/分 (成人安静時)
左心室から拍出される血液→1回拍出量といい
70~80㎖を1分間の間に拍出しています。
それは例えるとすると…ヤクルト約1本分を1分間の間に70回も身体が絞り出しているような感じです。
毎分にすると5ℓもの血液が身体を巡り、私達の生命を維持しているのです。
◎血液はどのような動きをするの?
▹血液の流れ ~体循環・肺循環~
心臓から出ていく血管を動脈といいます。
心臓から返ってくる血管を静脈といいます。
動脈は、心臓から離れる程細くなり網目のように全身へと送り届ける毛細血管を通ります。
心臓から全身へ血液を送る働きをしているのは左心室です。
心臓は、左右対称ではなく、左というイメージが強いと思います。
それは心臓の中で、1番エネルギーを使われる所となるので、筋肉も分厚く発達し、左に傾いているからです。
左心室から大動脈を通り全身へと血液は運ばれます。
この間に身体は血液から酸素や栄養素を吸収していきます。
返ってくる道は上半身と下半身に分けられます。
上半身を返ってくる静脈を上大静脈といい、
下半身を返ってくる静脈を下大静脈といいます。
このように血液を左心室から右心房へ送る事を「体循環」といいます。
血液が移動を繰り返していくにつれて、酸素は減っていきます。
その過程で酸素を取り込むことが必要になります。
残りの2つの部屋、右心室と左心房は酸素を取り込みながら血液を送る働きをします。
右心室から酸素が減ってしまった血液は、肺動脈を通り肺へ向かいます。
肺で、酸素を取り込み、肺静脈を通過して左心房へ戻る事を「肺循環」といいます。
◻️心臓の刺激伝導系とは◻️
心臓のポンプを効率よくするため、収縮と調整をするため、心筋に周期的に電気が流れる事を刺激伝導系といいます。
▹心臓の刺激伝導系興奮の流れ
①洞房結節(右心房)は心臓のドクンドクンというリズムを作りペースメーカーの役割をします。
↓(心房の収縮)(速度は速い)
②房室結節(右心房)
↓(速度が遅くなる)
③ヒス束
↓
④右脚・左脚
↓
⑤プルキエンエ繊維
(心室の収縮)
以上が電気の流れとなります。
※それぞれに刺激伝導系は、自動能(神経が切断されたとしても拍動を続ける事が出来る性質)を持つので、自動的に動かすことが可能です。
◻️心臓と運動の関係性◻️
心臓は、筋肉で作られた臓器で血液を全身へ送りますが、心臓のみが血液を循環させているわけではありません。
骨格筋にも血液を心臓に返すポンプの働きがあり、特に足の筋肉ふくらはぎは第2の心臓ともいわれています。
心臓の負担を減らすには、継続的な運動をし、ポンプの動きをよく保つ身体作りが必要になります。
運動といっても適度に!!が重要です。
やりすぎは身体へのストレスになり循環器への影響にも繋がり悪循環を引き起こしてしまいます。
◻️まとめ◻️
心臓に備えられている循環本能は私たちの健康の鍵を握っています。
全身に血液を循環させ私達の身体へ酸素や栄養を休むことなく送り続けるポンプ、それが心臓の最たる役割です。
その心臓を守るためには食事や運動が基本となります。
バランスの取れた食事、自身に合ったトレーニングや運動をする事で心臓の強度を高め健康を維持する手助けにも繋がります。