Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ZIPANG-5 TOKIO 2020 特許庁は 建築物、内装、画像の意匠を初めて意匠登録として法改正した!

2020.12.06 13:50

宮中賢所外観 /イメージ事例 / 鎹八咫烏

イノベーションの促進とブランド構築に資する優れた意匠を保護可能とすべく意匠法が抜本的に改正され、令和2年4月1日から、建築物、内装、画像の意匠が新たに保護対象となりました。この度、建築物、内装の意匠が初めて意匠登録されました。


背景

昨今、企業が店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてブランド価値を創出し、サービスの提供や製品の販売を行う事例が増えています。


また、近年、オフィス家具・関連機器を扱う企業が、自社の製品を用いつつ、特徴的なオフィスデザインを設計し、顧客に提供する事例も生じています。


そこで、令和元年、意匠法が抜本的に改正され、令和2年4月から、建築物の外観デザインが意匠権で保護できるようになりました。


また、机やいす等の複数の物品等の組み合せや配置、壁や床等の装飾により構成される内装デザインも、全体として統一的な美感を起こさせるようなときは、一つの意匠として意匠権で保護することができるようになりました。


内装の意匠

意匠登録第1671153号「回転寿司店の内装」(くら寿司株式会社)


くら寿司浅草ROX店のコンセプトは、「観光」×「食事」=サイトイーティング(SightEating)※ 業界初の「ジャパンカルチャー発信型」店舗が登場 くら寿司『グローバル旗艦店』が浅草にオープン!


「くら寿司 グローバル旗艦店」店舗特徴

■国内最大の店舗規模 グローバル旗艦店の敷地面積は国内最大255坪(一般店舗で125坪)、座席数も国内最大となる272席(一般店舗で199席)を配置しました。

■和を意識した装飾 店内には浮世絵や提灯などが飾られており、日本の江戸時代のような「和」をイメージさせる空間になっています。食事スペースにもこだわっており、白木を使用したフラットテーブル*1や、畳を使用した椅子は上品さと落ち着いた空間を演出します。

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり


※“観光”(Sightseeing)と“食事”(Eating)が同時に体験できる。


意匠登録第1671152号「書店の内装」(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)


2020年4月1日に施行された改正意匠法から認められるようになった「内装の意匠」で、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(東京都渋谷区:以下CCC)が出願していた蔦屋書店の内装が第1号として登録されました。

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり


今回登録されたのは、天井までの高さがある書架に囲まれたロングテーブルのある内装の意匠と、CCCが「本の小部屋」と呼ぶ、書架で囲まれた小部屋が連続する空間の意匠です。


CCCは2011年に開業した代官山 蔦屋書店を筆頭に、「ネット時代の小売業の在り方」を提示すべく「居心地のいい空間」づくりを追求。リアルな空間でしか体験できない「居心地」という定義しがたいものを、空間デザインに定着させるべく工夫と努力を重ねています。 


この度の意匠法改正により「内装の意匠」を保護する制度ができ、CCCを含め、特徴ある内装デザインを保護したいという複数の事業者が登録に至ったことは、今後の空間デザインの発展につながっていくものと思います。 


CCCは今回の登録を受け、今後も読者のための空間デザインをつくり、何より、読書の大切さを訴え続けていく事でしょう。  


建築物の意匠

意匠登録第1671774号「駅舎」(東日本旅客鉄道株式会社)


上野駅 「エキュート上野(新区画)」 新しい公園口駅舎の供用開始にあわせ開業
開業日:2020年4月21日※部分開業
※新しい公園口駅舎の供用開始については3月20日
ショップ数:4ショップ
ショップ名:
1階 NewDays(コンビニエンスストア)
2階 騒豆花(台湾カフェ)やなぎ茶屋(和カフェ)
good spoon Cheese Sweets & Cheese Brunch(カフェ)※新業態

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり


意匠登録第1671773号「商業用建築物」(株式会社ファーストリテイリング)

UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店

ユニクロは、2020年4月にオープンした「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」の建物のデザインにおいて、今年4月1日に施行した改正意匠法で認められるようになった「建築物の意匠」の第1号登録を取得した。

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり

ユニクロ 原宿店

また、今年6月に開業した「ユニクロ 原宿店」の、UTの世界観を体験できるフロア「UT POP OUT」は、内装の意匠登録が認められた。

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり


国内で初めて登録された画像の意匠

この度、国内で初めて以下の画像の意匠が意匠登録されました。


意匠登録第1672383号「車両情報表示用画像」(株式会社小糸製作所)

【意匠に係る物品の説明】

この画像は、画像投影装置付き車両より路面に照射される画像である。画像図で表した画像は、使用状態を示す参考図1乃至3のとおり、走行時もしくは停車時に車両の周辺に照射され、外部から車両の存在を視認しやすくさせる。また、本画像は、運転手に車両周辺の路面の状況を視認しやすくさせる。車両が進行方向を変更するとき、画像図、及び、変化した状態を示す画像図1及び2のとおり、変更向きに応じて変化して照射される。

※新規性喪失の例外規定の適用申請あり


(参考)小糸製作所のエリアマーカー™


特許庁

意匠法改正

1. 改正経緯

意匠法改正案は、「産業競争力とデザインを考える研究会」及び「産業構造審議会知的財産分科会意匠制度小委員会」の議論を踏まえて作成されました。


同案を含む「特許法等の一部を改正する法律案」は、平成31年3月1日に閣議決定され、令和元年5月10日に可決・成立し、同17日に法律第3号として公布されました。


その後、改正意匠法の施行に向けて、政省令の必要な改正が行われました。


2. 改正項目と施行期日

意匠法は、以下の項目(青囲み内)について改正されました。改正意匠法は、ほとんどの規定が令和2年4月1日に施行済みであり、残る一部の規定については、令和3年4月1日に施行されます。


3. 改正内容

(1)保護対象の拡充(令和2年4月1日施行)

これまでは、意匠法の保護対象は「物品」に限られ、不動産や固体以外のものなど、「物品」でないものは保護されませんでしたが、改正により保護対象を拡充し、新たに「画像」、「建築物」、「内装」のデザインについても、登録ができるようになりました。


●物品に記録・表示されていない画像デザインも保護できるよう、「画像」そのものも保護対象に。また、不動産である建築物のデザインも保護できるよう、「建築物」も保護対象に。


●複数の物品、壁、床、天井等から構成される「内装」のデザインについても、一意匠として登録可能に。 


(2)関連意匠制度の拡充(令和2年4月1日施行)

これまでは、関連意匠の出願可能期間が本意匠の意匠公報発行前まで(本意匠の出願から8か月程度)でしたが、改正により、基礎意匠の出願から10年を経過する日前までとなりました。また、これまでは、関連意匠にのみ類似する意匠は登録できませんでしたが、改正により、関連意匠にのみ類似する関連意匠の登録を認めることとなりました。


●関連意匠の出願可能時期が、「本意匠の出願日から10年経過する日前まで」に。
(関連意匠の意匠権の満了日は、「本意匠の出願日から25年経過した日」) 



「関連意匠を本意匠とする関連意匠」についても出願可能に。 



※イメージは、説明用に作成されたものであり、意匠が実際に登録されるためには、意匠法に規定された登録要件(新規性、創作非容易性)を満たす必要があります。


(3)意匠権の存続期間(令和2年4月1日施行)

これまでは、意匠権の満了日は、「登録日から20年経過した日まで」でしたが、改正により、「出願日から25年経過した日まで」となりました。

(4)創作非容易性の水準の明確化(令和2年4月1日施行)

これまでは、創作非容易性の根拠となる資料は公然知られたものに限られていましたが、改正により、公然知られたか否かに関わらず、刊行物やウェブサイト等に掲載された形状・模様等も創作非容易性判断の根拠資料とすることとなりました。

(5)組物の意匠の拡充(令和2年4月1日施行)

これまでは、組物の部分については意匠登録が認められませんでしたが、改正により、組物の部分についても意匠登録することが認められることとなりました。

(6)間接侵害の対象拡大(令和2年4月1日施行)

これまでは、侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為は意匠権を侵害する行為とみなされませんでしたが、改正により、悪意により侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為が意匠権を侵害する行為とみなされるようになりました。

(7)損害賠償算定方法の見直し(令和2年4月1日施行)

これまでは、意匠権を侵害したときの損害賠償額から権利者の生産・販売能力等を超える部分が除かれていましたが、改正により、権利者の生産・販売能力等を超える部分が除かれないことになりました。

(8)複数意匠一括出願の導入(令和3年4月1日施行)

これまでは、意匠ごとに願書を作成する必要がありましたが、改正により、複数の意匠をまとめた願書も作成することができるようになります。

(9)物品区分の扱いの見直し(令和3年4月1日施行)

これまでは、願書に記載すべき物品の区分の粒度を「物品区分表」により定めていましたが、改正により、これを廃止し、経済産業省令に「一意匠」の対象となる基準を設けることになります。

(10)手続救済規定の拡充(令和3年4月1日施行)

これまでは、指定期間が経過した後や優先期間が経過した後の出願等の救済が認められていませんでしたが、改正により、指定期間が経過した後や優先期間が経過した後の出願等の救済も認められることになります。



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511

特許庁 〒100-8915 東京都千代田区霞が関3丁目4番3号 電話番号:03-3581-1101(代表)



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



現在、1300件以上の記事掲載。
これまでの記事も下記のサイトからご覧いただけます。


250件ほどのリンク記事をご覧いただけます。

ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)

https://tokyo2020-4.themedia.jp/


235件ほどのリンク記事をご覧いただけます。

ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)

https://tokyo2020-3.themedia.jp/


200件ほどのリンク記事をご覧いただけます。

ZIPANG-2 TOKIO 2020 (VOL-2)

https://tokyo2020-2.themedia.jp/


615件ほどのリンク記事をご覧いただけます。

ZIPANG TOKIO 2020(VOL-1)

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/