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A recollection with you

窓際で 編 ―その1― Shiho side.

2016.08.30 12:02

「詩歩。今日は出掛けよう」

「えっ」


何でもない平日。急に何を言い出すかと思ったら。


「お店はどうするんですか?」

「休みにするよ」

「どこに行くんですか…」


答えはわかってたけど、一応聴いてみる。


「…決めてない」


盛大にため息を吐いた。ただ、祐月さんの頬っぺた叩かなかったあたしのことは、褒めてほしい。




ひさしぶりの新幹線。

たしか、修学旅行…じゃなくて、ここに来たとき以来だった。お昼ごはんを、ふたりで準備したのは、初めてで嬉しかったなあ。なんて思いを巡らせていたところに。


「どうしたんだい?」


そう言いながら、頬っぺたを突かれた。

むうっと頬を膨らませたら、やっぱり面白いらしくて、笑われる。平気でこういうことするの、どうしてなのかな。


「なにもないですー」

「ふーん」

「それで、どこ行くんですか?」

「路面電車が走ってる街だよ」


そう言って笑ったから、きっと良い旅になるんだろうと思った。