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#日経 日本 #イスラエル に熱視線 #国交正常化

2020.12.06 11:10

「日本経済新聞 日経ヴェリタス」様より

シェア、掲載。

ありがとうございます。

感謝です。


日本勢、イスラエル企業に熱視線 国交正常化で加速

2020年11月28日 2:00 - 2020年12月1日 22:21更新


イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどアラブ諸国との国交正常化が進み始めたことを受け、日本企業もイスラエルに熱い視線を注いでいる。前線に立つのは大手商社だ。



自動運転・サイバー防衛… 三井物、新興勢に出資相次ぐ


三井物産は2018年に現地パートナーとVCのマジェンタ・ベンチャー・パートナーズを設立した。

9000万ドルほどのファンドを運用し、複数の日本企業が出資する。出資企業の1社である小糸製作所はマジェンタと組み、19年に運転支援システムを開発するブライトウェイ・ビジョン社に出資を決めた。

小糸製は今後、普及が見込まれる自動運転車向けのライトの開発などに取り組む。

「日本企業が次の一手を打つ際に必要となる先端技術に関する情報収集や、現地スタートアップとの連携に向けた支援も実施している」(マジェンタの竹内寛氏)。

三井物は1990年代後半から現地VCなどを通じてスタートアップ投資に取り組んできた。

出資先はイスラエル国防軍の上位1%が配属される情報活動・サイバー攻撃・防衛を担う「8200部隊」出身者が設立したサイバーセキュリティーに強い投資会社のチーム8や、野菜種子ベンチャーなど。

三井物テルアビブ事務所の山崎利之所長は「デジタル・トランスフォーメーション(DX)が本格化する中、同分野に強いイスラエルの存在は重要だ」という。



投資競争が激化、住商は2~3カ月で有望企業を選定


「ファーストコンタクトから2~3カ月ほどで出資を決定する」。

投資スピードを強調するのは、住友商事が19年に現地に設立したVC「IN Venture」の高田寛之氏だ。

これまでに人工知能(AI)を使った位置情報解析ソフトや、水素エネルギーに関連する企業など4社への投資を決めた。

ハイテク分野の投資・マネジメント経験豊富な2人のイスラエル人パートナーが各事業部の本部長と定期的に面談。

本社の戦略やニーズを熟知した上で、有望な投資候補企業を選ぶ。日本の各事業部が現地を訪れ、投資可能性を探る。

住友商の新事業投資部の相原堂秀部長は「現地拠点は事業とデジタルの融合で成長を狙うデジタルソリューション総合商社を掲げる当社にとって重要な役割を担っている」と強調する。

決裁権が現地にあると言っても本社との連携は密だ。

ハイテク分野の投資やマネジメント経験が豊富な2人のイスラエル人パートナーは、各事業部の本部長と定期的に面談し本社の戦略やニーズを熟知。

無数にある現地企業から有力な企業だけが投資候補としてあがってくる。

日本から各事業部から現地に出張し協業の可能性を探る。「それを含めて数カ月の早さで投資先が決まる」と相原氏は胸を張る。



伊藤忠、イスラエル発のライドシェアを日本上陸へ


伊藤忠商事は1990年代から現地の大手VCが運営するファンドに継続的に出資してきた。

2019年には新たにイスラエル系のライドシェア(相乗り)サービスのビア・トランスポーテーションに出資し、日本で事業を開始した。

本社は米国だが、イスラエル人が設立し現地で技術開発を進める。

ビアはスマートフォン(スマホ)のアプリを使って同じ方向に行きたい利用者が相乗りできるサービスを提供する。

2013年にニューヨークで始め、いまや世界25カ国以上で展開する。

今年11月にビアは長野県茅野市と協力し相乗りタクシーサービスの導入で合意した。

12月に「のらざあ」の名称で始め、公共交通機関がない地域や本数の少ないバス路線を補完する。

中高生や自動車を持っていない若者や高齢者の新たな交通手段となることを目指す。

バスより高いが、タクシーより安い価格設定で、需要を取り込む。他の自治体とも協議を進めているという。

19年に拠点を設け新興企業の発掘を続ける豊田通商は2社への出資を決めた。

まず19年に、3Dスキャンで撮影した画像を人工知能(AI)によって解析する、車両の外観検査システムを開発したユーブイアイに出資。

今年2月には中古車競売最大手ユー・エス・エスが名古屋のオークション会場でシステムの導入を決めるなど実績を上げている。

15年1月に当時の安倍晋三首相がイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と経済連携を進めることで合意して以降、両国の経済交流は活性化した。

米中対立も追い風だ。

米国は、中国が買収・出資したイスラエル企業から先端技術を入手し、軍事転用することを懸念。

イスラエル側に中国マネーによる買収に制限をかけるよう圧力をかける。

中国側との投資交渉を多く扱うサイモン・ワイントラブ弁護士は

「中国からの投資の受け入れを拒否するイスラエル企業が出ている」と話す。

日本企業のイスラエル進出は加速している。

商社勢に加え、東芝、日本たばこ産業、SOMPOホールディングスなども拠点を設け、イスラエルとの連携を急いでいる。

今後、日本企業によるイスラエル投資ブームが起こる可能性もありそうだ。


(飛田雅則が担当した)

[日経ヴェリタス2020年11月29日号]