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榛名神社

2020.12.06 11:50

https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_1482/  【関東屈指のパワースポット・榛名神社。奇岩、巨岩の迫力に身が引き締まる】 より

榛名(はるな)神社は、上毛三山のひとつ榛名山の中腹に位置する。創建は6世紀後半といわれ、1400年を越える歴史を持つ。沢沿いの境内は深い森とたくさんの奇岩・巨岩に囲まれ、近年パワースポットとして注目を集めており、初詣スポットとしても人気が高い。今回はそんな榛名神社の見どころを紹介する。※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

▲榛名神社の鳥居とその奥にある随神門(ずいしんもん)

群馬県高崎市にある榛名神社は、主祭神として火の神である「火産霊神(ほむすびのかみ)」と、土の神である「埴山毘売神(はにやまひめのかみ)」を祀り、古くから鎮火、開運、五穀豊穣、商売繁盛のご利益があるといわれている。

清らかな沢と奇岩・巨岩に囲まれた地形によって修験道の霊場としても有名で、現在はその清浄な雰囲気からパワースポットとして若い世代の関心も集めていると聞いてやってきた。

昔はお寺だった!? 山岳信仰や神道、仏教が習合した霊場

JR高崎駅からバスに乗り、榛名山のおだやかな山なみを見ながら向かうこと1時間ほどで榛名神社のバス停につく。参道に立つ鳥居をくぐるとすぐに重厚感のある門が現れる。

「随神門」といい、上棟は弘化4(1847)年、建てられた当時はお寺の仁王門だったという。

▲随神門。もとは仁王門と呼ばれた

どういうことかというと、榛名神社は用明天皇の時代(585~587年)に創建されたといわれているが、古くから神仏習合が定着し、江戸時代には榛名山厳殿寺(がんでんじ)と称されるお寺だったそうだ。しかし慶応4(1868)年に神仏分離令が出されると仏教色が排除され、もとの榛名神社となった。

そういわれてみると、鳥居がなければお寺の山門に見えてくる。

▲いまは仁王像ではなく、随神像が鎮座している

誰がつくった!?対岸に現れた岩の橋

随神門から神社の突き当たりである「本殿」までは500mほどの参道を登る。

随神門をくぐって「みそぎ橋」を渡ると右手に沢が見えてきて、さっそく清浄な空気がただよう。やがて沢の対岸にアーチ状の奇岩「鞍掛岩(くらかけいわ)」が見える。もともとは洞窟状だった岩の奥の部分だけが崩れ落ちてアーチ状になったという。

▲アーチ状の奇岩、鞍掛岩

参道の右側には杉の古木が立ち並び、森閑とした雰囲気だ。さらに進むと、左から岩が張り出していて、岩が崩れ落ちないようにトンネル状に補強されている。もし補強されていなかったら、歩くだけで修行になりそうな道である。

▲トンネル状に補強された道

トンネルを抜け、左にそそり立つ大きな岩を見ると、秘密基地への入口のように木の扉がついている。これは「東面堂(とうめんどう)」という建物の名残だそうで、手前に建物があって、この扉の奥に秘仏が安置されていたらしい。

▲旧東面堂の名残りをとどめる扉

大杉、名瀑、壮麗な門……。見どころが続く

この先から道は狭く、急な登りになっていく。

左には「矢立杉(やたてすぎ)」という杉の巨木。武田信玄が戦勝祈願のために矢を射立てたという言い伝えがある。

右には「瓶子(みすず)の滝」。滝の両側の岩を「瓶子」(神にささげる神酒を入れる酒器)に見立てた名だ。流れは細く、白ヘビが天に昇っていくようにも見える。

▲矢立杉。推定樹齢600年、高さ55m

▲瓶子の滝

滝を過ぎると階段となり、その先に大岩を背後にしたがえた力強い門が待ち構える。左右対に龍の彫刻が施されていることから「双龍門」と呼ばれる。この門をくぐるといよいよ「本殿」だ。

▲双龍門

▲双龍門に施された龍の彫刻

本殿の裏の大岩が“ほんとうの”本殿

文化3(1806)年に建てられた本殿は、国の重要文化財に指定されている。

本殿は背後の「御姿岩(みすがたいわ)」とつながっていて、その岩の洞窟内にご神体が祀られているという。前から見るとふつうの神社の本殿に見えるのだが、右手から裏を見てみてようやくこの本殿の特異さがわかった。

建物が岩にくいこんでいる、いや岩が建物をなかば呑み込んでいるようにも見える。

岩を見上げると、上部がくびれてキノコ型になっている。いまにも落ちてきそうだが、1400年前から落ちてこないのだから大丈夫なのだろう。

この光景を前にしたとき、沢からの冷気に包まれて自然と体がしゃんとした。背筋が伸びた。神社のなかでもっともパワーを感じた瞬間だった。

本殿に手を合わせて、もと来た参道を戻った。