世界一危険な山!?それでも「谷川岳(群馬)」に魅了される理由
https://icotto.jp/presses/6541 【世界一危険な山!?それでも「谷川岳(群馬)」に魅了される理由】 より
日本百名山の一つ「谷川岳」。初心者から上級者まで楽しめる多彩なコースがあり、四季折々に咲く植物たち、星空観賞会、天空のナイトクルージングなどのアクティビティ、そして何より山頂からの絶景が登山者を魅了します。そんな美しい人気の山は、死者数世界一という異名を持つギネス認定されいてる危険な山…!?なのです。それでも登山者が訪れてヤマない理由をご紹介します。
群馬にある“ギネス世界一の山"を知っていますか?
富士山は3700メートルありますが、谷川岳はそれよりもぐっと低い2000メートル足らずの山。世界一高い山はエベレストで8000メートル級。
「谷川岳」という名前、聞いたことのある人も多いと思います。群馬県にある山で、関東の人なら小学校の遠足や野外活動で行ったことのあるという人もいるかもしれませんね。
日本百名山の一角に数えられる、美しくて人気のある山ですが、「遭難死者が世界一多い山」としてギネス認定されています。
そんな危険…すぎる!?けれど登山客たちを魅了してやまない「谷川岳」について調べてみました。
谷川岳ってどんな山?
光差す霧の稜線
谷川岳(たにがわだけ)というのは、群馬県と新潟県の県境にある山で、トマノ耳(1,963m)とオキノ耳(1,977m)という二つの頂上があります。これを双耳峰といいます。初心者から上級者まで楽しめるルートがあり、標高2,000メートル足らずとは思えない景観が人気を呼んでいます。
エベレストより危険な山!?
mimiclaraさんの投稿
統計の始まった1931年(昭和6年)からギネスに認定された2005年(平成17年)までに、なんと781名の死者が出ているということなんです。これは、エベレストなどを含む「8000メートル峰」(地球上にある8,000メートル越えの14の山)の死者数を合計したものより多い数。原因としては、複雑な地形や切り立った岩壁、そして激しい天候の変化などが挙げられ、2,000メートルに満たない標高ながら“魔の山”“死の山”などと呼ばれています。
死者数世界一のカラクリ…
標高があり難易度の高い山(例えばエベレスト)に登るには、一部の上級者しか挑戦しませんよね。当然、危険を充分に覚悟したうえで、トレーニングを積み、緊急事態に対応するための訓練を行い、装備も万全の状態で挑むわけです。
それに比べた場合、小学生でも登れる「谷川岳」には、どうしても警戒心は低くなります。山は急激な気象の変化が起こりやすく、急斜面の崖などもあるのでルートや天候によって、難易度は一気に跳ね上がります。
危険なルートに軽装備でうっかり入ってしまったら、そして突然天候が変わったら。それはアルピニストがエベレストに登るよりも危険なことかもしれません。
また統計のなかには、スキーヤーやロッククライマーの事故も多く含まれています。訪れる人の絶対数や事故の要因を考えた場合、この数字の意味もちょっと変わってきますね。
でも、 魅力いっぱいの山なんです
理由が分かれば、怖がってばかりいるのもつまらないですよね。ルールを守って、きちんと登れば安心感が違います。ここからは「谷川岳」の本当の魅力をしっかりご紹介していきます♪
四季折々の絶景が自分を元気にしてくれる
4oさんの投稿
折り重なる山々の稜線、遠近のグラデーション、自然のもたらす鮮やかな彩り。多くの登山愛好家が「2,000メートルとは思えない…」と口にするほど、この景色は雄大です。
夏の高山植物に癒される
(長野県)ニッコウキスゲ咲く、夏の霧ヶ峰
夏の登山といえば、高山植物が楽しめる季節でもあります。谷川岳は森林限界(環境条件により、木々が育たなくなる標高)が低く、手軽に高山植物が楽しめることでも有名です。エーデルワイス、ユキワリソウ、シラネアオイなど、かわいらしい花々を観察しながらの登山も楽しいですよ。
「日本人でよかった~」。秋は紅葉にうっとり
Fakeさんの投稿
一年のなかで、最も登山客が多いのは9~10月頃。過ごしやすい気温で紅葉も見ごろだから、おでかけには最適ですよね。晩秋になると、雪と紅葉のコラボも楽しめる貴重な光景が見られますよ。ロープウェイで鮮やかな紅葉のカーテンをぬうように進みます。ロープウェイ待ちの列ができるほどなので、週末は気合が必要かもしれません。
澄んだ空気は冬ならでは。積雪登山も楽しい
冬の谷川岳頂上(トマノ耳)から肩ノ小屋方面を見る
普段より装備は本格的になりますが、雪のなかの登山もなかなか乙ですよ。本格的な積雪登山は不安…という人は、まず「谷川岳」でチャレンジしてはいかがでしょうか。ほどよい難易度と、山頂の景色を見たときの達成感にハマって、リピートする人も多いようです。厳しい冬があってこそ、この澄んだ風景に出合えます。
ロープウェイに乗る、オススメ登山ルート
では具体的に、登山するときはどんな感じなのでしょうか?一番ポピュラーな「谷川岳山頂登山コース」を見てみましょう。まずは、土合口駅からすぐのところにある、ベースプラザからロープウェイに乗ります。
群馬県みなかみの紅葉と谷川岳ロープウェイ
そのまま一気に天神平(1,319m)まで登ると、頂上までは足で登っても高低差が700メートルないくらいです。周りの景色や仲間とのお喋りを楽しむ余裕もできて、初心者にはちょうどいい難易度ですね。さらに、天神峠(1,502m)までリフトで上がれば、さらにゆったりとした行程で山頂を目指せますよ。
ハリー11さんの投稿
こちらが「天神平」。この辺りで既に、かなりの眺めです!東京から高速道路を使って3時間ほどでこんなに素晴らしい景色が望めます。
リストリンさんの投稿
こんな可愛らしい山小屋が建っています。途中で鎖場を経験したり、山小屋で休憩を挟みながら、往復で5時間ほどの行程になります。危険が比較的少なく簡単に登れるルートですが、ちょっと本格的な部分もあるので、達成感はかなりあります。(略)
https://getnews.jp/archives/2491488 【【世界一危険な山】群馬県にそびえる谷川岳を知っていますか?】 より
【世界一危険な山】群馬県にそびえる谷川岳を知っていますか?
谷川岳は群馬と新潟の県境にある三国山脈の山です。
年間4万人以上の登山客が訪れる人気の山なのですが、実は「世界一危険な山」と言われているのです。
では、谷川岳の何が世界一危険なのでしょうか?ここでは、そんな谷川岳の秘密に迫っていきたいと思います。
谷川岳とは
谷川岳は群馬県と新潟県の県境にある三国山脈で、「日本百名山」の1つでもあります。
山頂部は標高1,963mのトマの耳、標高1,977mのオキの耳の2峰に分かれています。初級者から上級者まで変化に富む登山コースがあり、年間4万人以上の登山者が訪れる人気の山です。
谷川岳は絶景で人気の山
谷川岳から望む景色はまさに絶景です。高山植物の楽園と言われている谷川岳は、四季折々の景色を楽しむことができます。
夏場にはエーデルワイスにユキワリソウ、ミズバショウやクルマユリなどの花が咲きますが、東側の谷には夏場でも雪が残っている特殊な地形をしています。
そして折り重なる山々の稜線や遠近のグラデーションは、本当に美しいです。標高2,000mとは思えないほどの雄大さを感じることができるでしょう。
日本三大急登にも選ばれる急峻な山
谷川岳は美しい風景を見せてくれる一方、「日本三大急登」にも選ばれています。
日本三大急登の山はいずれも「標高差が大きく」、「斜度が急」になっています。「斜度がきつくて登るのがつらい…」と多くの登山者をうならせる厳しい尾根をした山々なのです。
特に谷川岳の西黒尾根は、登り出してからすぐに始まる急登が特徴です。
登山起点となる谷川岳ロープウェイと谷川岳頂上の標高差は1,195mにもなります。西黒尾根登山口は標高757mにあり、コースの途中にはほぼ垂直のような鎖場もあるので、気を付けなければなりません。
なんで谷川岳が世界で一番危険なの?
実は谷川岳、世界一の「遭難死者数の多い山」なのです。
谷川岳は世界一死者の多い山
谷川岳は日本三大急登にも選ばれている急峻な山です。そのため日本で最も遭難死者が多い山としても知られています。
1931年~2012年までに805名もの遭難死が確認されているようです。実はこの死者数は日本一だけではなく、世界一でギネス世界記録も持っています。
谷川岳での犠牲者がいかに多いか、それは世界の標高の高い山と比較してみるとよくわかります。
世界には標高8,000m級の山が14座ありますが、その14座全ての遭難死者数が640名です。なんと谷川岳で亡くなった人は14座を超えていることになります。
谷川岳で事故が多い理由
谷川岳は初心者でも登れる山として人気がありますが、「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」のロッククライミングルートは超危険です。
実際、この「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」ルートでの遭難死亡事故が圧倒的に多くなっています。
このルートは岩壁が険しいのはもちろんですが、岩質がもろくて手がかりや足がかりを作りにくい場所になっています。滑りやすい箇所が多いため、事故につながりやすいと言われています。
また、谷川岳の「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」ルートは天候の変化が激しいことでも知られています。急激な気候変化が影響して、避難者が多くなっているのです。
尊い命を守るために制定された「群馬県谷川岳遭難防止条例」
避難死亡者数が世界一多い谷川岳では不慮の事故発生を防止し、尊い命を守るために「群馬県谷川岳遭難防止条例」が昭和42年に制定されました。
この条例では死亡事故発生数が多い一ノ倉岳などの危険地区へ入山する登山者に対して、登山届又は登山計画書の提出を義務付けました。
また12月~2月末の冬山期間は危険地区内の登山を禁止したのです。
この条例によって死亡事故は減少したものの、軽装登山者の事故や軽微な遭難事故の出動要請が増加するなどの問題点も浮彫りになっています。
まとめ
谷川岳は初心者でも楽しめる登山ルートがあることから多くの登山客に人気のある山です。
しかし、危険個所の多いクライミングルートもあり、危険な山とも言われています。谷川岳の遭難死亡者数は世界一であり、岩壁が険しく、急激な気候変化が起こりやすいため、遭難事故につながりやすくなっています。
初級者から上級者向きまで変化に富んだ登山コースのある谷川岳は、「登山初心者に優しい山」と「死亡事故の多い危険な山」という二面性を持った山といえますね。
危険な山として知られる谷川岳ですが、夏場は高山植物をたくさん見ることができ、頂上からの景色は絶景です。この景色を見るために、多くの登山者が危険を承知で果敢に挑戦する魅力あふれる山なのです。