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今月の輝く!リフォームセールス~お客様の良き相談役になり 相見積もりを勝ち抜く!

2020.12.15 03:00

今回登場するのは、お客様の要望をさりげなく聞き出し、話しやすい雰囲気作りで、良き相談役となっている田尻祥記さん。モチベーションを高く持って仕事に臨んでいる田尻さんに、営業において大切にしていることをインタビューした。


▲サンリフォーム(大阪府大阪市)大阪店 田尻祥記さん(30)

大阪府出身。水回り専門のリフォーム会社で施工管理の業務をしていたが、「打ち合わせから現場調査、引き渡しまで総合的にお客様と関われる営業の仕事がしたい」と、25歳の時にサンリフォームに入社。昨年秋に主任に昇進。



信頼してもらうために自分のプライベートも話す

サンリフォームは首都圏に2店舗、関西圏には5店舗を展開するマンションリフォーム専門のリフォーム会社。田尻祥記さんは入社以来大阪店に勤務している。

田尻さんが営業職として、お客様との会話で大切にしていることの一つは、「信頼してもらうこと」。そのためには自分のプライベートなことも話題にすると言う。

「最初にお客様とお会いする時って、完全に見ず知らずじゃないですか。どんな人が来るのかがわからない状態で、いきなり家に入ってきて、どんなリフォームしたいんですかって、要望を聞いて、いきなり家を採寸しだすんですよ。収納開けたり、キッチンの下開けたり(笑)。そんなことをされながらお客様は『この人、どんなこと考えているのか、わからへんわ』って思っているわけですよ。ですので、私は自分がどんな人間か、わかってもらうために自分の話を結構するようにしています」。

打ち合わせの時、一方的に質問されるばかりでは、お客様も疲れる。自分の出生地や年齢、家族や趣味のキャンプの事などを話すことで、相談しやすい雰囲気を作り出している。

「最近手掛けた2組のお客様がどちらも、私が一人暮らしをしていた場所からめちゃめちゃ近所の方でした。なので、最初の打ち合わせで『私、すごく近所に住んでたんですよ〜』という話題から入って、フランクに話をさせてもらえたんです。その後、2組とも成約に至りました」



最後は担当者の個人戦
要望を聞き出すことがカギ

相見積もりから、最終的に最後の1社に選んでもらうためには、最後は「営業担当者個人の力」になると考えている田尻さん。

「後輩にもよく言うのですが、残りの2社に入るのは会社の力。そこから先は担当者対担当者の個人戦です。競合他社に勝つためには、お客様の要望を聞き出すこと。まず、それができていないと勝負にならないと思います」

お客様が施工会社を決めるポイントは様々。価格なのか、保証なのか、デザインなのか。まずそこを聞き出すことが重要になる。

「営業は、お客様の話したいことを話させてあげる。聞き手になることが大切です。『私はこう思いますけど、どう思いますか?』という聞き方ですね。私達が『ここってこうですか』という聞き方をしてしまうと、『はい』『いいえ』だけの答えで終わってしまう。それでは、お客様が本当に思っていることを聞き出せないんです」

例えば、レンジフードの提案の場合、「『掃除が大変だと感じている人もいますが、私は年に3、4回掃除をさせられています(笑)。○○様の場合はどうですか?』という風に質問しています」と田尻さん。最近は何年も掃除いらずのレンジフードもあるが、お客様の気持ちを聞き出せず、一方的に安い方を提案していたら、成約には結びつかない。

そして、お客様の方から「田尻さん、こここうしたいんだけど、どう思います?」と相談が寄せられるようになったら、勝ちパターンだ。「お客様の良き相談役になることが一番ですね」と田尻さんは話す。



奥様のグチからリフォームのニーズが次々と

成約をとるためには、奥様の心を掴むこともポイントだ。平日の打ち合わせは奥様だけ、ということも多い。この時、奥様から『ご主人様の嫌なところ』のグチの話になることもある。

「でも、そこからリフォームしたいところがどんどん引き出せるんです」と田尻さんは前向きだ。

「主人が扉をバンと閉める音がイヤ」から「ゆっくり閉まるようにオートクローズ機能を付けましょう」と提案することで、奥様の悩みを解消。信頼を得ていくことで、やがて奥様が営業担当の味方となってくれる。

「ここまで信頼していただけたら、奥様に『ご主人様を一緒に口説きましょう』と言いますね。普通は営業対ご夫婦ですが、このパターンでは、営業と奥様対ご主人様。そうなると成約になるケースが多いです」



ノルマ達成はチーム力で
週1ミーティングで情報共有

営業目標を達成するには、週1回の営業担当同士のミーティングが欠かせない。大阪店は営業9名の内、店長以下の8名を2つのグループに分け、それぞれがどんな案件を抱えているか、情報を共有している。

「そうしないと案件数が多すぎて、誰がどんな案件を持っているか忘れそうになります」と田尻さん。個人の力では限界があるが、チームでアドバイスをして成約に結びつくようにしている。

「特に絶対に落とせない案件の場合、次にどのような書類を持っていくかなど作戦を練る時間を作っています。周りの意見を聞くことで、自分の引き出しを増やすこともできるので、このミーティングはとても大事な時間です」



同期に負けたくない
ライバルがいることで奮起

田尻さん個人がモチベーションを上げるためにしているのが、会社の同世代の営業担当の数字を見ること。ライバルに負けたくない気持ちで、自分を奮起させている。

また大阪店の後輩社員にも、数字を提示することでやる気を引き出している。実は下半期の売り上げで、新人賞の対象者上位に大阪店の社員が並んでいた。

「彼らは目の前のことに一生懸命で、そこまで自覚していない社員もいます。だから私から伝えることで、次も頑張ろうと思ってもらいたいです」

田尻さんも若手時代、絶対に主任になると目標を立てていた。昨年秋、念願かなって主任に昇進。しかし、その後、目標を見失い、空回りした時期があった。

「モチベーションが下がったままだと、契約が取れないんですよね。それが今年のはじめ、会社の同世代の営業と会う機会があったんですよ。そしたらみんな、子どもができたり、家を建てたりしてました。『こんちきしょう!』と思って(笑)。私も家を建てることを決めました。計画も進めてます。今のモチベーションは業務目標もありますが、家を購入するためにも頑張っています」



田尻さんがいつも鞄の中に入れている仕事道具

田尻さんがいつも通勤用の鞄に入れている愛用道具。

①クリップボードは自分用とお客様用の2つを入れている。1つはA3サイズで図面用。もう1つのA4サイズはお客様用。ボードは下敷き代わりにも使い、お客様の家のダイニングテーブルの上で直接書類を記入しないようにしている。

②電卓

③ドライバー点検口などを開ける時に使用。長短の2種類、ラチェット式

④メジャー

⑤カッター

⑥測量レーザー



サンリフォーム大阪店はこんなお店!

▲お客様との打ち合わせをするスペースの写真。中央に写っているのは田尻さん

▲店内にある応接室。流行の室内窓をつけている。社内に実物を展示することで、お客様により具体的な説明ができるメリットがある。田尻さんもこの窓を提案する時に、ここに案内する。縦何列にするか、高さをどうするかなど、実際に見てもらっている