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* Bear Fruit *

『戦争の時代の芸術』を終えて②

2020.12.07 16:11

(前列左から)大石泰先生、冨士川正美さん、中嶋克彦さん

(二列目左から)河野アンジェラさん、林眞美さん、本多都さん、松岡あさひさん

(後列左から)金持、関口直仁さん


シンポジウムの第三部で上演された朗読劇は、

ひめゆり学徒隊と、彼女らを引率し殉職した東風平惠位(こちんだ けいい)を題材に演出家の冨士川正美さんが台本を書き下ろし、上演されました。


冨士川さんは現地沖縄をはじめ取材を重ねておられ、ひめゆり学徒隊の'事実'を、私たちにとても丁寧に教えてくださいました。

様々な写真を見せて下さったり、書籍や映画作品、生き残った方々のインタビューなどをたくさん紹介して下さったり…

稽古では、読み合わせ以外にこのような時間に多く割いてくださったのが印象的でした。


演じる私たちが腑に落とし切れていないと、嘘になってしまいます。

稽古中にうまく読めなかったり指摘される箇所は、やはり自分でイメージがし切れていなかったり、理解が足りていないと感じる所でした。

冨士川さんはその度に、その場面にまつわるエピソードを添えてアドバイスしてくださいました。

時には、「そこは調性を変える感じで」など、音楽に例えてくださったりもしました。

稽古中、『歌う時とまったく同じだ』と思うことがしばしばでした。


ゲネプロの様子


本番では、場面によって照明を変えたり、スライドに写真を映し出していました。(と言っても実際見ていないので、完成形がどうなっていたのか実は知りません笑)


約1時間の朗読劇。


大きな舞台のように、舞台装置や衣装や演出が大掛かりではなくても、たくさんのスタッフの方々がかかわっていらっしゃいました。


出演者がいて、スタッフがいて、そしてお客様がいて…

コロナ禍以前は当たり前だった光景ですが、胸が熱くなりました。


本番では、みんなすごい集中力で臨んでいることがビシビシと伝わってきました。

私自身も、お互いの相乗効果で、稽古中には出てこなかったものが出ていた気がします。


入り込みすぎず、冷静な部分を保ちながら演じていましたが、劇中何度か感極まりそうになるのを抑えていました。

特に、最後に全員で歌った、この作品のメインの楽曲である東風平惠位作曲、太田博少尉詩「別れの曲(うた)」は、涙を堪えるのに必死でした。

(この朗読劇のために、松岡あさひくんが編曲したものでしたが、この編曲がまた素晴らしかった!)

終演して、舞台裏に来てくださった冨士川さんや大石先生のお顔を見たら、何かの糸が切れて涙腺崩壊してしまいました。(上の写真はそのあと撮りました。泣き顔。笑)


ひめゆり学徒隊の出来事は、悲惨な事実ですが、この朗読劇は、その悲惨さを伝えながらも、東風平先生、そして太田少尉の、学生たちへの大きな愛とあたたかさが全てを包み込んでくれるような、そんな作品のように感じました。

観てくださった方々にも伝えられていたら嬉しいです。



実は、これまで沖縄戦やひめゆり学徒隊について良く知らなかったので、今回この作品に関わらせていただいて初めて知ったことばかりでした。

祖母から聞いた戦争体験談や原爆については触れる機会がありましたが、沖縄戦があんなにも悲惨なものだったとは…知らずにいたことを反省しました。


沖縄に行ける状況になったら、ぜひこの目で、ひめゆりの塔や相思樹並木を見てみたいと思います。