なぜローテーターカフのエクササイズは色んな角度でやるのか?
2020.12.08 01:33
以前紹介した、
「ピッチング前のルーティン」
「野手の毎日の肩周囲のコンディショニング」
の中にもありましたローテーターカフのエクササイズ。なぜこんなにも角度を変えて行わなくてはいけないのかと聞かれることがあります。
「なぜ色々な角度でやるのか?」
今回はこのことについて私の考えも踏まえてお答えしたいと思います。
まずローテーターカフ(一般的にインナーと呼ばれるやつ)にはどんな筋肉とそれぞれの主な作用があるのでしょうか。
・棘上筋→外転
・棘下筋→外旋
・小円筋→外旋
・肩甲下筋→内旋
もう少し詳しく見ると
●棘下筋
横走線維→伸展位0度での外旋
斜走線維→外転約90度での外旋
●小円筋
屈曲約90度での外旋
●肩甲下筋
上部線維→下垂位での内旋
中部線維→外転約60度での内旋
下部線維→外転約120度での内旋
急にめんどくさくなりました…。
というように角度によって強く作用する部位が変わってきます。
なので全ての部位に刺激を与えるためにはいろいろな角度でエクササイズする必要があるんです!
でここで一番重要なことですが、
上述しました「関節角度◯度での内旋(外旋)」というのはその角度でしか働かないわけではありません!あくまで強く作用する角度です!
そもそもローテーターカフの役割は、あらゆる方向に動く上腕骨を関節窩から外れないように安定させることです。(求心位を保つ)
つまり、あらゆる角度に対してそれぞれの筋が作用し協力し合いながら安定させています。ある角度である部位だけが作用するわけではありません!
このことを踏まえると、
Q.なぜ色々な角度でエクササイズを行うのか?
A.強く作用する角度がそれぞれ違うため、角度を変えて全てに刺激を与えてより安定性を向上させるため
怪我の予防、パフォーマンス向上のためには面倒とは言ってられないですね。