監獄と自由
2020.12.08 06:50
囚人は自由を夢見る。
晴れて開放された時
その人は
己の自由を生きるだろうか
それとも
広い屋敷でも
大自然の中にあっても
心は監獄の中と変わらぬ陰鬱さに包まれていることに
唖然とするだろうか
自由はどこに在る
自由の世界で
自由に踏み出し手を伸ばさないなら
監獄と同じである
長く鎖に繋がれたサーカスの象は
杭を壊せるほどの力を得てもなお
逃げ出すことはなくなるという
我々に 見えぬ鎖はないか
打ち込まれたその杭に
気付かねばならない
己自身が分からねば
自由は選べない
「お前自身で選べ」
それが責任ある自由である
それが楽ではないから
人は他人のせいにして
仮初に守られた監獄で
自由をくれよと
罵り 嗤い
眠る