太陽王10-ヴェルサイユ宮廷の創造
2020.12.08 11:12
オランダ戦争は、ルイ14世の威信を欧州中に広めた。ハプスブルクに代わる大国の登場である。イケイケの王は、欧州覇権をめざすと共に、自分の時代の象徴を欲する。1668年ヴェルサイユ宮殿の建設を開始する。そしてここに政府機能を移してしまうのである。
強国の王が自分の都を欲しがるのは信長の安土城を見てもわかる。要するに京都やパリでは、従来の貴族がうるさいのである。そしてこの宮廷で極めて細かな宮廷の作法が作られる、それは江戸城文化のようなものだ。徳川幕府のように、宮廷は莫大な経費を使い、フランス革命の一因ともなるわけだ。
ルイ14世が太陽王と呼ばれたのは、バレエでアポロンの役をやったからということだが、彼はアポロンが好きだったようで、計画ではアポロンの間が中心に置かれた。この部屋では王は太陽のように、国民に恩恵を降らせるという絵画が飾られている。
このように、太陽王の時代、芸術は、王の権威を広めるために積極的利用された。さらにパリは民衆の町として王の威信を讃える建築がなされた。中世的城壁が取り払われ、サンドニ門、サンマルタン門という凱旋門、さらにヴァンドーム広場がつくられ、騎馬像が設置された。