「したてやのサーカス」曽我大穂=監修協力 高松夕佳=聞き手・編 - ペンギン文庫
2020.12.10 23:00
この本は音楽家・曽我大穂と服飾家・スズキタカユキを中心とした現代サーカスグループ仕立て屋のサーカスを、夕書房 高松夕佳が体感し好奇心と探究心を持ち一年をかけ作り上げた旅の記録のようである。2020年1月26日の東京公演を観に行った私は、本を手にした途端、即興で繰り広げる蘇我大穂の音屑とスズキタカユキの鋏の音が光と共に降ってくる臨場感を思い出した。曽我大穂の長い旅の一遍を体感した高揚感がこの本に詰まっていた。最後の頁に「あなたはいつ、この本を手にとっていますか。これは私が見て聞いた、仕立て屋のサーカス二〇一九〜二〇年の物語です。」二度と同じものは見れない儚さと満足を得るため、仕立て屋のサーカスという旅は続く。
コラム筆者・移動本屋 ペンギン文庫
仙台を拠点に写真や美術、文芸、詩などの新刊書を中心としたラインナップで、 行く先々に合わせて本をセレクトし。 様々な土地で本屋を開く。 土地と土地を紡いで本と本屋の可能性を探す移動式本屋です。