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ピアノ弾きの覚書

76歳現役

2020.12.11 09:59


昨日の夜、夕食時にいつものようにテレビをつけてチャンネルを回していたら、、、、





ナニナニ⁉️








ポッリーニがベートーヴェン作品109を演奏しているではないですか‼️

(こういう時、イタリアに住んででよかった、と心から思える)




もうこんなに歳をとっていたんですね。。。

お爺ちゃんになった姿を見てショックでしたが、自分だってもういい歳なんだからポッリーニだってこの歳になってて当たり前よね。




、、、にしても、すごい。

作品109〜110〜111と休憩なしにノンストップで演奏。




ストレートな立ち上がりの音は今も現役。

濁りがない。




自分が学生の時、ポッリーニの良さがわからなかった。

ショパンのエチュードやストラヴィンスキーなどのキレの良さは有無を言わせないすごさが伝わったけれど、自分にとってはその後ろにある彼のアートを理解できなかった。




イタリアで生活し、イタリアの音を聴き、イタリア語を喋るようになり、この10数年でようやく少し理解できるようになった気がする。



A.B.ミケランジェリも最初わからなかった。彼の芸術が冷たく感じた。



今はイタリアのピアニズムを知り、理解できるようになった。





では自分のピアノはどうよ?




私のピアノは違う部分でイタリアを象徴する時がある、と自分では思っている。

それは歌、かな。



音で歌う、音で話す、これが私のピアノではないだろうか?




まだまだ学び、身につけたいことが山ほどある。



自分が何歳まで演奏を続けることができるだろうか?

76歳でベートーヴェン最後の3大ソナタは無理かもしれないけれど、自分が許せるまでは舞台に立ち続けたいものだ。