みなとみらい公開空地ジョギング
有限会社アーバン・ファクトリー
藤江 創
昨年の春、フルマラソンに挑戦することを決意し、海を目指して走り出してから1年半が過ぎました。
走り出した当初は、つらさしか感じませんでしたが、今では3日間走らない日が続くとうずうずしてしまうくらいはまっています。
そもそも走り出したきっかけは、増え続ける体重と崩れていく体型を抑止するため。40代後半を迎えた方にありがちな理由でした。
友人から、やめられない状況をつくれば練習は続くというアドバイスを受け、2019年の横浜マラソンに市民枠でエントリー。そして、すんなり当選。エントリー料金約16,000円。やめられない状況ができました。半年の練習で、5Km、10Km、15Km、20Kmと徐々に距離を伸ばし、横浜マラソンをなんとか完走。いや、30Kmを越えてから歩いてしまったので、正確には完走歩。時間内にはゴールできたものの完走できなかったのがくやしい。あらためてフルマラソン完走を目指して走り続けています。
前述が長くなってしまうのが悪い癖。タイトルの話。日々のジョギングは、早朝のみなとみらいの海沿いを中心に行います。JR根岸線の線路をくぐり、みなとみらいの街を抜けて、臨港パークへ。そこからは海を眺めながら。カップヌードルミュージアムパーク、マリンウォーク、赤レンガパーク、象の鼻、大さん橋、山下公園。時間と体調によって折り返しますが、朝焼けに染まる海をジョギングしながら走るのは最高に気持ちが良いです。それだけでも充分に楽しいのですが、最近は海に至るまでのプロセスを楽しむようにもなりました。みなとみらいは新しい街で、ほとんどが超高層建築。超高層建築は建ぺい率と容積率、そして、市の政策により、地面には公開空地が設けられます。みなとみらいの良いところは、超高層建築が群としてあることで、公開空地が繋がっているところ。ほとんどの公開空地が、歩行者のための場所となっているので、快適にジョギングを楽しめます。企業の本社ビル、ホテル、マンション、事務所ビル、建築の使われ方は様々ですが、その間をつなぐ公開空地は、お互いを高めあうようなデザインが見られます。最近のお気に入りはパシフィックロイヤルコートとブリリアグランデみなとみらいパークフロントタワーの間。華奢な並木の奥に臨港パークにいざなう大階段があり、早朝のやわらかい光のなかで遭遇すると、やる気スイッチがそっと押される感じがします。
みなとみらいでは、開発が続いていて、今後もいくつかの超高層建築がお目見えするようです。村田製作所、神奈川大学、横濱ゲートタワーなどなど。ジョギングを楽しめる公開空地が増えることをひそかに期待しています。
公開空地はその街を訪れるどんな人にも開かれている場ですが、公共施設と異なり、建築の運営者(所有者)が管理をしています。よりよい状態で存続するように、節度をもって使うことが大切だと考えます。またそれに伴い、その価値や感想を発信することが運営者へのモチベーションにつながると思い、日ごろの感謝を込めて今回のコラムを書きました。
お気に入り公開空地2020/11/26。並木の色と風の温度で季節を感じます。
お気に入り公開空地2020/11/26。
階段を上るか避けるかいつも迷います。
お気に入り公開空地2020/11/26。
階段を上るとご褒美の景色が広がります。