「君死にたもふことなかれ」
2016.09.02 02:23
「君死にたまふことなかれ、 すめらみことは、戰ひに おほみづからは出でまさね、 かたみに人の血を流し、 獸(けもの)の道に死ねよとは、 死ぬるを人のほまれとは、 大みこゝろの深ければ もとよりいかで思(おぼ)されむ。」
(与謝野晶子「君死にたもふことなかれ」)
「人間はしばしばじぶんの存在を圧殺するために、圧殺されることをしりながら、どうすることもできない必然にうながされてさまざまな負担を作り出すことができる存在である。共同幻想もまたこの負担のひとつである。だから人間にとって共同幻想は個体の幻想と逆立する構造を持っている。」
(吉本隆明 角川文庫「改訂新版 共同幻想論」序文)
共同体を構成する個人の個体の幻想はその個人の心身にある。
共同体を構成する個人の共同幻想もまたその個人の心身にある。
共同幻想の体現者「すめらみこと」の個体の幻想はその「すめらみこと」個人の心身にある。
「すめらみこと」の共同幻想は「すめらみこと」個人の心身にどう位相しているのであろうか、
また「すめらみこと」の個体の幻想と共同幻想とはどのような構造にあるのであろうか、
共同体を構成する個人はその個体の幻想と逆立する共同幻想のためにさまざまな負担を作り出す。
「すめらみこと」はその個体の幻想と共同幻想が不調和、逆立したときどのような負担を作り出すのであろうか、
「すめらみこと」の個体の幻想と共同幻想の不調和、逆立とその行方はその共同幻想のこれからを深く映し出していく。
共同体は共同幻想とともにある。
共同幻想はこの世界の至るところに無数に存在する。
「君死にたもふことなかれ」
与謝野晶子の慟哭はいまもこの世界中に木霊している。