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単純な症状の中にこそ複雑なものがある

2020.12.12 22:12

左の首の痛みがあり、頭がぼーっとする感じがあるようです。

朝起きた時に貧血のような感じでクラッとする。膝の痛みが以前からあるのですが、何をして痛むという訳ではない感じで、時々しか痛みはないし、以前はあぐらをかいた時も痛みがあったのですが、今はそれはない。正座もできるという状態です。 


患者さん 「頭の症状は自律神経の問題かなぁ~」 

私 「自律神経の問題というより、首周囲に熱がこもったり水の流れが悪くなると神経症状として不定愁訴がでることがあります」 

患者さん 「あっ、凄く首周りが熱い感じがするんです」 

私 「水の流れが悪いというのは、西洋医学的に言えば部分的な脱水であったり、組織間のリンパ液の流れが滞ったりする状態なので、そこに抵抗ができて熱っぽい感じになるんでしょうね」 

「咽周囲が部分的に水の流れが悪くなったりすると、顎を引けなくなってきます」 

「また、このような状態になると、胸椎の上部を叩くと、響く感じがあるのがわかりますか?」 


というような話になったりします。 これだけの情報で呼吸が不十分になってしまっているということがわかります。首の痛みは頭がぼーっとするような症状も、 肺の機能が落ちているために起こったものではないかと推測できるわけです。

そして実際に背中を伸ばすように胸を広げてみると左側だけ広がらないという状況になっていることを確認することができます。話の流れと体の反応を見るだけでも様々な予測を立てることができるというわけです。 


例えば漢方薬を処方するならば、水の流れの異常を解消するような薬剤が適用になると思います。鍼灸治療を行うなら、もっと詳細に調整することができるわけです。

なぜなら、他の部位にあまり影響を与えずに、その部分のみに調整をし、水の流れをよくすることができるからです。そこで下顎を喉仏にくっつけるように顎を引いてみるような動作をしてみると、喉が詰まるような感覚になります。

本来このような動きをした時に喉が詰まるような感覚がないのが正常です。 下顎を喉仏にくっつけるようにしたまま、胸椎をタッピングしてみると、案の定、圧痛がなくなります。つまり咽の位置と胸郭の開きは連動しているということを意味しています。 

胸郭が縮まる事によって呼吸不足に陥って、頭や首に症状が出ているとするならば、この状態を改善すれば良いということがわかります。 肩上部もつまみあげると左側の方が圧痛があるのも分かります。