ぬえ教授、「クッキーとビスケットの違い」を語る
みなさん、こんにちは。
クリスマスが近づき、街も華やかになって参りました。そんな世間が浮き足立つこの頃、こんなことを調べてきたので、ご報告いたします。
1. 違いはあるの?
クッキーとビスケット。美味しいですね。手作りをされる方もおられるかと思います。
しかし、何がクッキーで、何がビスケットなのか。詳しく知っている方は少ないのではないのでしょうか。
2. 言葉とイメージ
クッキー(cookie)は主にアメリカで使われる言葉です。中世オランダ語で小さなケーキを意味する言葉、koekjeがアメリカ圏に渡ってきました。では、その他の地域ではなんと呼ぶのか。
ビスケット(biscuit)と呼びます。
勘の良い方もそうでない方ももう気付いておられるでしょう。明確な違いはありません。
しかし、もう少し調べてみると、日本の菓子業界の中で違いがあるそうです。
みなさんは「クッキー」と聞いてこんなものを思い浮かべませんか?
では次です。「ビスケット」と聞くとこんなものを思い浮かべるかと思います。
なんとなく違いが伝わったかと思います。
なんか手作り感のあるサクサクしそうなやつがクッキー
おそらく型のようなもので成形されてちょっとテカりを感じるやつがビスケット
なんとなくです。なんとなくそんな感じしませんか。
実はその認識は正しいのです。
明確に「正しい」と表現するのは語弊があるかもしれませんが、日本の菓子業界のニュアンスはまさしくこれです。
ではこの違いはなんなのか。
- 糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれている
- 手作りっぽい見た目をしてる
上記2つが日本の菓子業界のいうクッキーです。
糖分と脂肪分の合計が40%以下のものは、同じ作り方でもビスケットと分類されます。
みなさんの認識は正しいのです。というより菓子業界の思惑の通り刷り込まれています。日本のバレンタインデーのように。
3. 由来と類似品
さて、早々にクッキーとビスケットの違いはなく、日本の菓子業界では区別されているということがわかってしまいました。なんかこれでは締まりが悪いので、もう少しお付き合いください。予備知識をつけていきましょう。
クッキーの語源が中世オランダ語であることは前述の通りでありますが、ではビスケットはどうなのか。
ラテン語で bis coctus (2度焼かれた物)が語源とされています。シャーマンキングのオーバーソウルでありそうなネーミングですね。
また、bis coctus panis (2度焼かれたパン)も語源であるとされています。オーバーソウルが進化しましたね。修行して会得したんでしょうか。
ちなみにシャーマンキングは20周年だそうです。めでたいですね。Twitterアカウントまでできてます。
2度焼かれたパン。パンです。パンかよ。
これからはビスケットを見たら「パンだよ」って言ってください。
というのは冗談で、パンを保存食として加工したのが始まり。日本で言う干物のような感覚だったのでしょうか。
のちにこの2度焼かれた硬い焼き菓子がビスケットとなります。ちなみにアメリカでは硬い塩味の焼き菓子をクラッカーと言います。
クラッカー?ん?
フランスではビスケットをビスキュイと呼び、ショートニング量がビスケットよりも多いものをサブレと呼びます。ドイツではビスケットのことをビスキュートと呼びます。
サブレ?
また話がややこしくなってきました。さらにややこしくしてみます。
アメリカでは焼き菓子全般のことを「クッキー」と呼びます。そして、パンのような焼き菓子を「ビスケット」と呼び、塩味にすると「クラッカー」になります。ビスケットに具を入れると「スコーン」と呼びます。
しかし、イギリスでは焼き菓子全般のことを「ビスケット」と呼び、アメリカで「ビスケット」と呼ばれていたパンのような焼き菓子は「スコーン」と呼びます。
「似たような菓子」というのを広義的に捉えてしまうと、もうなにがなにやらわからなくなるので、これくらいにしておきます。
4. まとめ
このまま書き続けても「クッキーの歴史」とか知りたくもない史実を教えることになるので、タイトルを振り返ります。
クッキーとビスケットの違い…
- 基本的に同じものを指す
- 日本の菓子業界では違いが設けられている
- 国によっては呼び方や指すものが異なることがある
- なんかややこしい似たものが他にもある
どうでもいいことでも調べると意外と奥が深いもの。知識は誰も拒みません。少しでも気になったことを調べると思ってもみない世界を覗くことができるかもしれません。
来たる正月休み、暇になったら普段気になっていることを調べるのに時間を使うのも面白いかもしれませんね。
それではさようなら。