【レビュー②】第40回直方谷尾美術館 室内楽定期演奏会
1年と3か月ぶりの楽興の時ゆえに、ラヴ・レターのようなあたたかい、熱いメッセージをいつも以上にしこたまいただきました。
それらの中から、選びに選んで、8つを2回に分けて紹介させていただきます。
「永くCDでエクセルシオの《ハープ》を愛聴していただけに、今回、直方で初の実演ということで期待してきた。第1楽章の後半、見事に尽き、鳥肌が立つ。エクセルシオでベートーヴェンを聴けるということがいかに凄いことなのか、あらためて思い知らされる。」
♪熱いメッセージですね!CDなどの録音で愛聴してきた楽曲をいよいよ実演で聴ける!その待ちわびた喜びは、遠足の前日の子供の気分です。ところで弦楽四重奏馬鹿の私でさえ、九州では《ハープ》を2回しか聴けていません。それも30年近くも前。せめて福岡市・北九州市の両都市で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が定期的に聴けるようになってほしいものです。
*
「まるでハイドンが、ベートーヴェンがお隣りにいて話してくれているような演奏会でした。室内楽にふさわしい空間でそれぞれの楽器の音色も近く、それぞれの楽章が自分の人生を重ねたくなるような気分になりました。コンサートを開いてくださった方々に感謝でいっぱいです。15番楽しみに聴きます。」
「心づかいがすばらしかったです。検温をした方が良いのでは?と思いました。」
♪思わずほっこりするお言葉をありがとうございます。音楽を自分の人生と重ねて堪能する、最も素朴で、最も純粋で、最も理想的な音楽との付き合い方でしょう。「15番楽しみに聴きます。」とあることは、休憩時間に書いてくださったのですね。
なぬ、検温?確か、美術館職員さんにエントランスでしていただくようにお願いしていたはずですが…(汗)。
*
「快演で体感をゆすってくれた2曲目(ベートーヴェン《ハープ》)、第2楽章。」
「身近な生の演奏を触れる機会をいただきありがたい。」
♪短い一文に心に刻まれた全てを感じます。瞑想、祈り、静かな情熱に目を閉じて抱擁されたくなる楽章です。
*
「静まりかえった会場に弦の音が鳴り始めた途端、幾度もこの会場で聴いているのに「ああ、この音だ」とその深い響きに心が吸い寄せられました。久し振りにこの会場でまた演奏を聴けて本当に嬉しかった。ベートーヴェン生誕250年の年がコロナのせいでメチャメチャになって、持って行き場のない気持ちが穏やかに癒され、再開コンサートをエクセルシオで迎えられたことを心から感謝致します。
第15番の第3楽章は世界中の人々の安穏と幸せを願う祈りの曲でした。幸せな夜でした。」
♪エクセルシオ、しかもベートーヴェンの第15番!再開のための心奮える条件が全て揃っていたようです。はかられていたように…。