寺山修司の短歌 63 海よその
2020.12.14 05:45
海よその青さのかぎりなきなかになにか失くせしままわれ育つ
「青い海」は、母性(海の比喩)からの旅立ちや解放、精神の安定を暗示する。
今では母の呪縛からも解放され、精神の安定を取り戻してきたが、母の愛に飢えたまま育ったという孤独感は常にあったのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ