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参拝の作法

2016.09.05 08:07

仕事柄もあって、よく神社の宮司さまとお話する機会がありますが、その中で最近よく出る話題が、若いひとたちの参拝、一例をあげれば「神社ガール」と呼ばれているような方々の参拝の姿がとても素晴らしいという話です。

これは、本当に色々なところでお聞きします。

どんなことかというと、例えば、

〇おとなや団体さんは、参拝の列に割り込んだり、お賽銭を後ろから投げたりするが、若いひとの方がきちんと順番を待って、前のひとが参拝してのを待っている。

〇観光客がよくやる、お賽銭を、手水舎や、池など、或いはパワースポットと言われているようなところに勝手に置くようなことはしない (伊勢神宮内宮の五十鈴川や、厳島神社の大鳥居に差し込むような酷い光景が有名)

〇社務所でもきちんと礼儀正しい。

あげれば限りがないそうですが、日本人として、やはり神社は神さまの領域に訪問させて頂く訳ですから、最低限のマナーは必要ですよね。

そこでよく書かれていることですが、このブログでも、神社での参拝の作法をまとめてみましたの参考にしてください。

1.鳥居

まず、お社にはいるときは、当然、鳥居を潜りますが、鳥居はひとさまの家でいえば玄関です。

かならず正面玄関からはいりましょう。玄関からはいらないと泥棒と一緒です。

ここでふたつの注意があります。

① 鳥居をくぐる前に一例

② 鳥居の真ん中を通ってはいけない。

②は意外にしらない方が多いのです。これは参道も一緒です。参道の真ん中は神さまのとおり道ですから、かならずあけるようにしましょう。

2.手水の儀

手水舎で、清めます。手水とは拍手と祝詞を行なう手口(さらには心)を清める意味合いを持つ、禊のひとつなのです。

次の手順でおこなってください。

1、右手で 柄杓 を持ち水をいれる

2、まず、左手を清める

3、つぎに持ち手を変えて右手を清める

4、再度持ち替えて、今度は左手に注いだ水で口をゆすぐ

5、もう一度左手を清める

6、最後に柄杓を縦にして、残った水で柄杓を清めてから、手水舎におかえしする。
1~5までは一杯の水で行います。

※このとき絶対やってはいかないこと→直接口に柄杓をつけてはいけません。

また、柄杓を取る前と、おさめたときにそれぞれ一礼すれば尚、礼義正しいです。

この動作は、慣れるととてもきれいな動きになります。たまに公式参拝などで、巫女さんが、手水をそそいでくださることがあったり、そういう光景をみることがありますが、是非、本職のかたの美しい所作を学んでください。

3.拝礼

いよいよ拝礼です。手水舎から、ご神前にいくまでの間も真ん中はとおらないでください。

神道では、基本「二礼、二拍、一礼」です。

(出雲大社のように四拍するところもありますが、その場合は必ず拝殿のどこかに表記があります。特別な表記がない場合は基本で行います)

このときにみっつのポイントがあります。


①お賽銭について

②二礼、二拍、一礼はなにをするのか?

③なにを祈ればよいのか?


まず①お賽銭ですが、わたくしの場合は、メインの拝殿は殆ど、のし袋に名前を書いて、納めます。勿論、そんなことをしなくも結構です。わたくしの場合はこだわりです。ただ、神さまは一日に何百人、伊勢神宮のようなところでは何万人ものかたから祈祷を受けます。きっと全員なんて覚えていないでしょう。なので、これは神さまにお社にお邪魔させて頂いて礼義だと思っています。
勿論、小銭を賽銭箱に入れるのが普通です。但し、そのときは投げたりするのでなく、そっと手を伸ばして賽銭箱に置く感じで入れてください。


②二礼、二拍、一礼

色々やりかたはありますが、これもお賽銭と同じで神さまへの礼義として自分がどこのなにがしかを名乗ることが大切です。わたくしは何社かの宮司さまから教わったことを応用して、自分のかたちで行ってます。

一礼目→「天照大御神さま、こんにちは」(そのお社に祀られている神さまに挨拶をします。例えば氷川神社なら「スサノオさまこんにちは」です)

二礼目→「青木正孝でございます」(自分の名前をいいます。このときに住所を言う方もいらっしゃいますが、名前だけで十分です)

二拍 (下記参照)

最後の礼→「天照大御神さまの益々のご発展をお祈りします」(ここはお別れなので、「ごきげんよう」でも構いませんが、わたくしは神さまの発展をお喜び申し上げています)


③なにを祈るのか

わたくしは最初に神拝詞(となえことば)をいいます。それは、

「祓い給い 清め給え(はらいたまい きよめたまえ)  神ながら(かむながら) 奇しみたま(くしみたま)  幸え給え(さきわえたまえ)」

です。

そして、その次に、「願いごと」ですが、わたくしの場合は「願いごと」はありません。

願いごとではなく、感謝です。いま、この神前に来られたことの感謝、自分や家族、縁者、友人の健康、仕事の感謝、それに対する御礼をしています。


勿論、ここは願い事をしても良いと思います。ただし、神社はもともとが、五穀豊穣など、その神社がある地域全体の幸福を祈るために存在しているのものだということです。したがって、個人的なお願いごとだけでなく、まずは、守っていただいていることに対するお礼と、個人を離れた大きな願いごと、平和を祈念する、国家の繁栄を祈念することが大事であると考えています。


実は②、③は、毎朝起きたときと、毎晩寝る前(こちらは時々はしょりますが...笑)、自宅の神棚にお参りしていることと同じです。日々の感謝の延長が、神さまのお近くへ訪問させて頂いての儀礼と一緒なのが、わたくしの参拝なのです。

おっと、忘れるところでした。

参拝が終わっても、神社から離れるまでは、きちんと決まりにしたがってください。

参道の真ん中は神さまがお通りになられるところだから歩かない。

帰りは鳥居をくぐったらところで正面に向き直り一礼をする。

きちんとできているひとをみていると美しいですよね。

これぞ、日本の古くから守り伝わってきた伝統、民俗だと思います。

神社ガールに見習いましょう!