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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

新世界より7-ペンシルバニア誕生

2020.12.15 11:07

1681年、アメリカ植民地に長く歴史に残るペンシルバニアができた。作ったのはウィリアム・ペン、彼はイギリスのクェーカー教徒である。この宗派は清教徒革命の時期に生まれ、内なる信仰を大事にし、外面的礼拝を重視しない。クェーカーという名は、聖霊により震えることで通称になった。

クェーカーは、イギリスで迫害されており、チャールズ2世時代に、ペンが父の貸した金のかたに国王から広大な土地拝領した。そしてここにクェーカーの楽園をつくろうとしたのである。彼は憲法を書いたが、ここには信仰の自由や選挙権、陪審員裁判などアメリカの素地をつくる思想が盛り込まれていた。

州都はフィラデルフィアであり、ギリシャ語で「友愛」を意味する。後にここで独立宣言がなされることになる。信教の自由は欧州各国から移民を集めた。

クェーカーは平和主義であり、ペンは先住民に対しても、公正を約束し、彼らの土地の代金を金で払い、問題が起こった場合、同数の人間が出て、公正な審議を行う法令を出した。ペンの先住民との協定は、アメリカの理想となり、その場面は国会議事堂のレリープに残っている。

下はフィラデルフィア市庁舎の上に立つウィリアム・ペン像