ため息とあくび
ため息をついた知人を
「幸せが逃げるよ。」
と茶化したら、
「どっちの説もありません?」
と返ってきました。
ため息は幸せが逃げるから良くないという説と、ため息はついた方が心や体に良いという説。
「確かに、どっちもあるね。」
邪気を排出するには、ため息は良いと思います。
しっかり息を吐くことで次の息が入ってくるので、体内の気が入れ替わります。
ただ、悶々としたままのため息や、アピールでつくため息は、周囲を不快にすることもあるもの。
だから昔の人は、「幸せが逃げる」と諫めたのでしょうか。
そういえば昔は今ほどタバコのマナーも厳しくなくて、エスカレーターで吸う人もいましたね。
私は嫌煙家なもので、前の人が吐いた煙の中に機械的に突入していくのが嫌で仕方ありませんでした。
私たちが吐く邪気にはタバコの煙のように色や臭いはありませんが、時にタバコ以上の猛毒になり得ます。
周りの方が邪気を吸わなくて済むように、換気良くため息をつきたいものです。
深い息といえばもう1つ、欠伸(あくび)。
人が大きく口を開いて息をしている様子から「欠」の文字が出来たそうです。
そこから一文字で「あくび」を表すようになり、部首名「欠(あくび)」にもなりました。
確かにこの部首のついた文字は「歌」「欲」「歓」など口を開けた状態に関わるものが多いですね。
今では欠に体を「伸ばす」が合わさって欠伸(あくび)と書きます。
眠たいときや退屈なときに出るイメージですが、その原因やメカニズムはまだわからないことが多いそうです。
脳を睡眠状態から覚醒状態にする、緊張やストレスの緩和、酸欠の解消、熱くなった脳のクールダウンなど、様々な効果があります。
運動のし始めや、ケアで体が緩み始める時にもあくびが出ます。
細胞の中のミトコンドリアは、酸素と栄養からエネルギーを作るので、たくさん酸素を取り込んでエネルギーを作ろうとしているのだなぁと感じます。
あくび指令シグナルは、視床下部のオキシトシン神経から発せられるというのも興味深いです。
オキシトシンは優しく触れることなどで分泌され、気持ちを鎮め、痛みを和らげてくれる“幸せホルモン”です。
ケアであくびが出るのにも納得です。
不思議と、あくびのことを考えるとあくびが出ますね。
実際そんな研究結果もあるのだそうです。
人も動物もあくびはうつると言いますし、共感・共鳴にも関係するのでしょう。
ため息で排気、あくびで発電。
換気良くエネルギー産生高めたいですね。