瀬川夏帆

わたしはきっと。

2020.12.15 16:07

なぜだろう、私はずっと東京へ惹かれ続けている。


住んだことがないのだから、その実態は感じたこともないのに、あの街から発せられる形のない何かに、強く憧れを抱く。


それはそこにしかない物や文化に対してではなく、街そのものに対して感じる。


私ひとりがあっという間に飲み込まれそうな、ぞくぞくとなる、なにか。


楽しいや、面白いではなく、孤独を感じたときの恐怖に似た、なにか。


分母がわからない程の巨大なそれが、強く、私を引き寄せる。