寺山修司の短歌 69 空は本
2020.12.15 18:14
空は本それをめくらんためにのみ雲雀もにがき心を通る
「本をめくる」とは、知識を吸収する暗喩で、「雲雀」は、寺山自身の暗喩。
空は高みにあって得難い本(=知識)であり、そのページをめくろう(=知識を吸収しよう)とするためだけに、雲雀(=寺山自身)は辛さや苦しさに耐えるのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ