freee×百十四銀行で「資金繰りアプリ」提供へ、平井卓也DX担当相もビデオ
【ビジネス報道】 会計ソフトのfreee(4478.TM)と百十四銀行(8386.T1)は、令和二年十二月十五日に香川とオンラインにて共同記者会見を開いた。中小企業のDX推進に向けて業務提携する。同日より中小の生産性を上げる「ICTコンサルティング」、来春より他行も連携の「入出金管理アプリ」を共同提供する予定。根本的には、同社の会計アプリを同行のクライアントへ導入促進するもの。
会見では平井卓也(戊戌)デジタル改革担当大臣がビデオを寄せた。「百十四銀行さんという老舗の銀行のトラストとリアルタイムで財務会計のデータを使えるフリーさん。この二つが組む事によって地域のDXが一気に進むという事を期待しています。今回の提携は正に、地域の中小企業の皆様のビジネスのやり方を大幅に変えていく。生産性を上げると思います。」と述べた。
同社が金融機関と提供するサービスは初。同行と同社の業務提携は四国において初。
<freee以外のAPIも視野>
ポイントは、同行が銀行としての本来の目的であるコンサルティングに舵を戻した点。現在の銀行は、金を貸すだけに陥っている。だが本来は金を貸した後に、今回の伴走型導入支援「ICT コンサルティング サービス』の様に、金を貸した企業等へ成長を促して更なる収益(発展的追加融資)を得る事が要。
地域で一番のコンサルティング企業が、銀行の在るべき姿だ。今回の業務提携で成し遂げたい事を同行・西川隆治 取締役は「人手不足の解消」「中小の生産性向上」「テレワーク環境の整備」の三点を挙げた。四月より同行は新たな中期経営計画が開始。金融の枠を超えた「地域のプラットフォーマ」を目指す。「中小企業の成長は持続可能な社会の実現に不可欠なものであり、我々は香川県のDXの推進役を担って参りたいと思います。」と伝えた。
将来的には、同社以外のAPIに関しても連携していく。
優れた資金繰りアプリの機能
また無料の「入出金管理アプリ」では、複数の金融機関の預金残高や明細、資金繰りを一元管理する。同行の非ユーザでも利用可。予定入出金や入出金・残高の推移レポート、メモタグの追加、カレンダ等の機能もある。
若手である同社の佐々木大輔(庚申)代取は、「大企業の場合と違って、何か一つ、そこだけ改善すれば効果出るんだという事ではなくてですね。ビジネスがどういう風に回っていて、それを全体として捉えて、それらの中でボトルネックとなる箇所を潰していくと。こういった発想でDXを進めていく事で初めて効果が出ると。これは規模が小さい故に、一つひとつの改善を組み合わせて全体的に統合して(大きな)改善をしていく事が重要。」と述べた。
尚、同社はスモール ビジネスを支援しており、同行の関係クライントの内、七十五㌫が従業員十五人以下。
画像:freee㈱、㈱百十四銀行