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雪の色が白でよかった

2020.12.16 10:44



先週の温かい日々から一転、

今日は私の住む町も

雪化粧の姿を見せた。


黄みがかった白ではなく、

青みがかった白が

山、橋、木々、家々に

そっと白い装飾をほどこす。



外は一瞬で体温を

奪うほど寒いというのに、

やさしく降り積もる雪からは

どこか温もりを感じる。


これは私の

気のせいなのだろうか?






白という色、

これはこんな言葉のイメージを

 持っている色である。

「清潔、純粋、誠実、素直、
幸福、はじまり」


また、

白色はこんな

物体的イメージを連想させる。

「雪、 雲、羽、医者、看護師
天使、砂糖、紙」



私は

「白色のものは優しい」

という印象を抱いた。


だから私は、

雪から温もりを感じたのかもしれない。







雪が白色でよかった。


透明でも、灰色でも

黒色でも、水色でもない、

白色でよかった。


雪が白色じゃなかったら、

冬の大定番の曲である

「粉雪」の歌詞も

違っていたかもしれない。


粉雪の歌詞の中のワンフレーズ、

「粉雪ねえ心まで白く染められたなら

二人の孤独を包んで空にかえすから」

これが「心の奥」を白紙にできず、

孤独を空に返せなかったかもしれない。



また、

雪が白色でなかったら

北極のシロクマもクロクマ、

または別の色のクマに

なっていたかもしれない。









「雪の色は白色」


そんな疑いようのない事実を前に

今日私は雪を眺めたわけだが、

心底思ったのだ、

「雪の色が白でよかった」と。

 



雪の色が白色ならば、


誰かの孤独を白紙に、

誰かの寂しさを白紙に、

誰かの別れを白紙に、


そして”はじまり”にしてくれる。





これはきっと

いつか溶けゆく雪が私たちに残してくれた、

「精一杯の"温もり"」だと、


そう私は思うのだ。