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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

混迷のオスマン8-十字軍結成大トルコ戦争勃発

2020.12.18 10:36

ウィーン包囲を失敗させたキリスト教国は、今度は攻勢に転ずる。1684年教皇インノケンティウス11世は、ひさしぶりに十字軍を提唱。ポーランド、ヴェネツィア、神聖ローマが同盟して皇帝レオポルド3世の義弟ロレーヌ公シャルル5世を総大将にハンガリーに襲い掛かる。

「大トルコ戦争」の勃発である。1686年にはブダペスト全域とハンガリー大半を制圧。トランシルヴァニアをも制圧した。テケリ・イムレは味方の寝返りにより逮捕失脚する。ヴェネツィアは海からバルカン半島に進出し、タスマニア、ボスニア、さらに87年にはペロポネス半島を制圧した。

ロシアもこの機をみてこの神聖同盟に加わり、クリミアハン国への戦争を展開する。まあ相変わらず宗教に名を借りた領土拡張戦争である。さすがにこうなると、オスマンでも騒乱が起こる。87年またもやイェニチェリが反乱を起こして何とスルタンメフメト2世が退位する。

オスマンはスルタン弟がスレイマン2世として即位。やはりキュプリュリュ家のファズル・ムスタファ・パシャを大宰相に任命して反撃を行った。しかしこのあと西欧では、またまた動乱が起こり、東方の戦いにロシアが進出してくるのである。

下はアルトモンテ作ウィーンの戦い