Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

太陽王14-ナント勅令破棄!新教者亡命

2020.12.19 11:47

1685年太陽王ルイは、ナント勅令を破棄し、新教(ユグノー)を禁止した。これには、「聖心信心」に象徴されるフランスカトリックの再興が影響している。愛人ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエールに象徴されるように、宮廷の腐敗を聖職者は非難した。その政治的取引がカトリック統一である。

またこれは絶対王政とも関連している。教会の洗礼者名簿はこの時代戸籍名簿である。ルイ14世の30万人という最大の陸軍を徴兵するには、それをする戸籍名簿が必要だったのだ。これから漏れるユグノーは、兵役免除も同然だったのだ。もちろん戦争には思想的統一が肝要だ。

すでに79年からはユグノーの公職や組合追放、教会の制限と破壊が組織的に行われた。「ドラゴナード」という、竜騎兵をユグノーの家にわざと泊める制度も実施され、その家では兵士により改宗が迫られた。

ナント勅令を廃棄したフォンテーヌブロー勅令は、ユグノーの国外亡命が禁止された。が、ユグノー達は非合法に、オランダなどに亡命、その数20万人ともいわれ、職人が多かったため、フランス経済は打撃を受けた。またこの勅令は、今まで同盟していた新教諸国をも敵にすることになり、暮れにさしかかる太陽王は新たな戦いへとつき進む。

下は「ナント勅令撤回のアレゴリー