かながわ芸能歳時記 菊名の飴屋踊り
地元の女性たちの熱意により見事復活
菊名の飴屋踊り
(三浦市南下浦町/白山神社下広場/10月)
菊名の飴屋踊りは、三浦市南下浦町菊名の白山神社例祭で、毎年10月23日に神社下広場に舞台が作られ奉納されます。江戸時代末期、関東の村々を巡り行商した飴売りが街頭で客寄せのために歌舞を演じたのが始まりとされ、歌舞伎末期の演芸が農漁村に流入し形成されたといわれていますが、詳しいことは分かっていません。菊名には「飴与三」という飴売りが伝えたといわれています。
内容は手踊りの「白松粉屋」「新川」、段物の「笠松峠」「五段目/忠臣蔵」などがあります。昭和30年に神奈川県無形文化財(後に無形民俗文化財)に指定されましたが、平成元年から演者(当時は男性のみ)の高齢化と減少のために上演が中断されました。その後平成20年に、地元の女性たちの熱意により見事復活し、現在では女性や子供たちも参加し毎年奉納されています。おひねりが投げ込まれるなど、かつての村芝居の風情が楽しめます。
*手踊り: 歌舞伎舞踊で、曲全体の物語進行や劇的内容から離れて踊る部分。
*段物: 歌舞伎や狂言などを取り入れたセリフもあるもの。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力:菊名あめや踊り保存会
写真提供:菊池 恵(菊名あめや踊り保存会事務局)
住所:神奈川県三浦市南下浦町菊名162
交通:京急三浦海岸駅下車 バス2番線より剱崎行き
又は、剱崎経由三崎行きで「白山神社前」下車 徒歩5分
日時:毎年10月23日 19:00〜21:00(雨天順延)
お問合せ:菊名あめや踊り保存会 046-888-0758
Photoキャプション(上から)
大人が演じる「子守」
笠松峠
昼間の舞台(旧出荷所の建物をそのまま使用)左が菊名区民会館(楽屋として使用)
楽屋風景(区民会館の中)