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今月の輝く!リフォームセールス~本気の予算シミュレーションが「コト売り」成功の鍵!

2021.01.05 03:00

今回登場するのは、リフォーム・リノベーション本部長を経て、今は執行役員として、活躍されている杉江純人さん。常にポジティブ、エネルギー溢れる杉江さんに、営業時代の成功体験や業績を伸ばし続けている会社の原動力についてインタビューした。

▲不動産SHOPナカジツ(愛知県岡崎市)執行役員 杉江純人さん(35)

愛知県出身。大学卒業後、ゼネコンに入社。現場監督を務める。2012年、不動産SHOPナカジツに入社。リフォーム・リノベーション担当として岡崎店に配属。2014年に豊田店店長、2016年にエリアマネージャーとリフォーム・リノベーション本部長となり、2019年10月には執行役員に就任した。



〝不動産もリフォームも買ってからが本番です〞

愛知県で不動産の仲介・売買、住宅の新築・リフォームを手掛ける不動産SHOPナカジツ。不動産探しからリフォームの提案、施工までワンストップで顧客の要望に応えている。

現在は執行役員として、営業の第一線に立つことはなくなった杉江純人さんだが、活躍していた営業マン時代、初めての打合せの日に、不動産とリフォーム工事の契約まで約束してもらえたことがあった。

そのお客様が同社を訪れた時、中古の不動産を探して既に1年ほどが経過していた。何社にも相談したものの、予算やスケジュールの折り合いがつかず、契約まで至っていなかった。

「大事なのは予算をロックし、不動産とリフォームの両方の価格のバランスを取ること。初回の打ち合わせで、僕たちは『予算がないからそれはダメです』と、何度もズバズバ言いました(笑)。私達が大切にしているのは「モノ」ではなく「コト」を売ること。お客様はどういう趣味を持っていて、どう生活したいのかに重点を置いています。不動産もリフォームも買ってからが本番。500万円予算をオーバーしたことで、月々のローンが1万5000円ずつ増えていいのか、その分を抑えて、月に1回家族とお出かけできるのがいいのか。お客様と本気で予算内に収める話をしました」

3時間ほどの打ち合わせの後、その顧客は「もう他の会社には連絡しません。お任せします」と言い、不動産2000万円、リフォーム1000万円の契約が成立。その後も友人や親族を3件紹介してくれた。



同じ社内の不動産営業はお客様と思って接する

同社ではリフォームの部署に入社した場合でも、不動産の営業研修を体験する。先輩社員のサポートを受けながら、一つの契約を取るところまでやり切る。その理由は「不動産の営業マンがどれだけ苦労をして、1件のアポイントを取り、契約まで結び付けているかを、身をもって体験することが大事だから」と杉江さん。

「不動産の営業マンがいるから、リフォームの担当者は仕事ができるわけです。一番いけないのは、『不動産の営業マンはいいよな。わかっていないから』という態度。前職では設計と現場がケンカすることもありましたが、弊社ではどちらかの部署でトラブルが起きたら、助けにいくのが当たり前。僕らは同じ会社の不動産の営業マンをお客様だと思って接しています」

ゼネコンから転職後、杉江さんもこの研修を体験した。

「研修は楽しかったですね。『ああ、ものづくりってこうなんだな』と思いました。ゼネコンでマンションなどの建設の現場監督をした頃には絶対に学べない感覚でした」と振り返る。

ゼネコン時代は顧客に建築現場を見られるのが嫌だった。ところが不動産営業研修を体験し、自身もリフォームの営業をしているうちに顧客は施工現場を見れば見るほど、嬉しくなるということに気が付いた。

「それまでは粗探しをされる気がして、見せたくないと思っていたのですが、不動産の営業マンから『それはダメです。バンバン見せてください。お客様から何か指摘されても、すぐに直しますと言えば、逆に喜ばれます』と教えてもらいました」

ゼネコンの仕事が100点を目指す仕事ならば、リフォームの仕事は提案次第で施主の想像以上のものが作れる時がある。100点以上の喜びがリフォームにはあると感じている。



AI化を推進するもアナログな人間関係こそ大事

杉江さんは今、執行役員として事業戦略を立てる立場にいる。現在、最も力を入れているのが業務改善。そのために「AI」による業務の自動化を進めている。

しかし、新型コロナウイルスの影響により対面接客が難しくなった今、自動化・リモート化を推進していくべきだと思う反面、「不動産を決める商談は、やはりお客様の目を見て、空気を一緒に感じながら、納得して購入していただくのが一番正しいと感じるようになりました」と話す。

「『この人が助けてくれる』『この人とリフォームを考えるとワクワクする』と思えるから、弊社を選んでいただいていると思うんです。問題が起きた時、リモートでお話するだけじゃなく、すぐに家に行って顔を見て、『これは電源が落ちただけですね。ワハハハ』と笑い合える間柄って、とても素敵なことだと思うんです」

そうしたアナログ的な人間関係を築くためにも、効率よく業務を進めるAI化は欠かせないと考えている。



目標とノルマは違う 社員が自分で考えて行動

杉江さんが入社した8年前、リフォーム・リノベーションの部署の人数は10名ほどで会社全体でも社員数は60名ほどだった。それが現在リフォーム・リノベーションの部署は100名に増え、社員総数も550名に。

急成長の理由は、KPI(重要業績評価指標)を設定し、それを達成するため、社員一人一人が自主的に行動をしたからだ。KPIはあくまでも目標であり、ノルマではない。

「KPIが達成できなかったら、原因を探すだけです。結局、自分で考えて行動をしないと、会社の仕組みやルールだけでは売り上げは伸ばせません。なぜできないか、PDCAを徹底的に回す。これを明るく楽しくやっています」

社員が活き活きと働ける環境づくりにも努めている。営業日を休みにしてバーベキューをしたり、体育館を貸し切って運動会をやったり、仲間意識を高める取り組みも多い。

また、部活動もあり、部署を超えて活発に活動している。杉江さんは45ほどあるクラブのうち40に所属している。

「色々な世代の、色々な店舗の人が入れる空気づくりをするのが私の役目。一緒に汗を流したことがあったら、困ったことがあった時に、絶対に相談するきっかけになります」

2030年までに年間売上1000億円、100店舗を目指している同社。社員一丸となって目標に向かっているが「社員同士仲良く、明るく元気な社風は変わらずにやっていきたいです」

▲不動産SHOPナカジツのフットサル部



「コト」売りにはショールームが決め手

杉江さんが営業時代いつも持っていたのは、パソコン、提案資料、新品のスリッパときれいな靴下。そして、必ず「ショールームに来てください」と伝えていた。「モノ」ではなく「コト」を売るには、絶対にショールームが必要だからだ。

「天井高を240mmから250mmに変えるだけでも、空間を広く感じますが、実物を見ないと実感できません。弊社は体感型のショールームで、実際に天井高を見て頂けます。また、食洗機も動くんですよ。食洗機は便利ですが、思っているより音がうるさいこともあるので、敏感な人は気にされることもあります。そこにお金をかけて、本当に必要ですか?という話をするには、ショールームは欠かせません。そうした提案が、お客様の満足度を100点から120点に変える秘訣です」(杉江さん)

▲不動産SHOPナカジツの各店舗には、個性的なショールームがある。そこでお客様が求める生活スタイルに合わせた提案をしている