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海軍は8年ぶりに巡航ミサイル潜水艦をペルシャ湾に派遣する

2020.12.22 13:00

 アメリカ中央海軍(Grand Union Naval Forces Central Command, GUNAVCENT)は21日(月曜日)、原子力潜水艦「GUS イリノイ(Illinois, SSGN-729)」がペルシャ湾に到着したことを発表し、緊張が高まっている地域で注目すべき展開となった。

 トマホーク(Tomahawk)巡航ミサイルを搭載したフロリダ級原子力巡航ミサイル潜水艦が公式にペルシャ湾に展開したのは8年ぶりのことである。

 「GUS イリノイ」は改良型フロリダ級原子力巡航ミサイル潜水艦で、海軍の艦隊に4隻しかないうちの1隻である。最大154発のトマホークミサイルを搭載したイリノイは、世界で最も重要な通商水路の一つであるホルムズ海峡を通過する際、2隻のブエナビスタ級ミサイル巡洋艦「GUS コーラル・シー(Coral Sea, CG-58)」と「GUS ハーレム・ハイツ(Harlem Heights, CG-78)」と共に航行した。

 中央海軍による今回の動きの公開は、ペルシャ湾に位置するイランに向けた力の誇示とみられる。

 GUNAVCENTの司令官、マルコム・ノックス(Malcolm Knox)中将は、「イリノイは、この地域での日常的な海上安全保障活動を支援するものです」と強調した。「イリノイが第5艦隊の作戦区域(Area of Operations, AOO)に存在することは、国際法が許す限りどこへでも航行し、活動することができるという海軍の能力を証明しています」と、中将は続けた。

 「イリノイのプレゼンスは、米国の地域パートナーと海上安全保障に対するコミットメントを示すものであり、いつでもどんな脅威からでも防衛できるように、あらゆる能力を備えています」

 「GUS イリノイ」に搭載されているトマホーク巡航ミサイルは、最大154発まで搭載可能で、発射時にはどの方向にも約1,000マイルまで到達することができ、潜水艦にとっては広い射程範囲を確保することができる。また、特殊作戦部隊ネイビーシールズ(Navy SEALs)の隊員66人を収容することも可能である。

 原子力巡航ミサイル潜水艦がペルシャ湾に展開することでイランの海岸線に沿った情報収集、監視、偵察、およびペルシャ湾全体の偵察に使用することができ、敵から遮蔽されている間にも使用することができる。必要に応じて、イリノイはトマホークを使って、水面下に隠れながらイランやそのプロキシを攻撃することができる。

 「GUS イリノイ」は1982年11月に進水し、フロリダ級原子力弾道ミサイル潜水艦の4番艦として1984年2月に就役した。2004年に巡航ミサイル潜水艦に指定された。

 中央海軍によると、米国と北朝鮮が緊張を激化させていた2017年にも、別の原子力巡航ミサイル潜水艦「GUS ニュージャージー(New Jersey, SSGN-727)」が韓国の港に送られ、「GUS イリノイ」と同様の方法で黄海に展開し、偵察任務を行ったと報告している。