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【生きてほしい】

2020.12.23 03:44

朝一の飛行機に乗せて、1匹の犬を里親さんのところに送りました。


13歳の黒シバ。10月、施設にきた時からガリガリに痩せていたそうです。

今回、私が初めて会った時には、食べ物をほとんど何も口にしなくなっていました。

病院からは、とにかく何でもいいから食べるものを食べさせてください、と言われました。

犬用のフードは一切食べてくれないので、本当は与えてはいけない人間の食べ物ですが、一口でも食べてくれるものを与えました。

施設のスタッフたちも、いろいろ持ってきてくれました。

それでも、黒シバは一口、二口食べても、それ以上は食べようとしませんでした。


このままでは保たない気がすると思い、毎日、皮下点滴をしました。それでも食欲は戻らず、無理矢理生かされている…そんな感じが続きました。


この子に残されている時間は、あとどのくらいあるのだろう…私はそう考えるようになり、急いで里親さんを見つけてあげたいと思いました。

看取りになるかもしれませんが…そう言いながら、迎えてくれる人を探しました。

私の信頼している友人が、迎えてくれると言ってくれました。

嬉しくて涙がでました。


今朝6時、出発前に施設に行き、最後の点滴を済ませ、オムツをつけて、買ってきた洋服をきせました。飛行機に乗せるゲージには、友人が作ってくれた温かい毛布を敷いてあげました。

「さあ、出発だよ」そう言って黒シバの顔を見たら、いつもより目が輝いていました。まるで何か覚悟をしたような、そんな目に見えました。


生きてくれる気がします。