公共施設の神棚設置
2020.12.22 12:00
学校の武道場や市役所、警察署などの公共施設に神棚を祀ることは、政教分離の原則から見て問題はありません。
昭和43年(1968)当時、南延岡駅では駅長事務室の一角に神棚を設け、朝の点呼の際に黙祷を励行していました。国労組合員がこれを妨害し、傷害行為に及んだことが刑事事件として争われ、昭和58年(1983)に最高裁判決が下されました。判決では、神棚への黙祷は布教や特定宗教の儀式ではなく、慣行化された交通安全祈願であることから、公共企業体であった国鉄(当時)の駅に神棚を設けることは、憲法上問題ではないことが示されました。
武道場や護衛艦、巡視船などに祀られている神棚も、武道や航行での安全を願う一般的な文化・習俗であり、特定の宗教を助長するものではありません。浄水場の敷地に祀られる水神の祠も、水の安定供給を願うという自然な行為で、礼拝を強要するわけではなく、信教の自由の観点から見ても憲法に違反するものではありません。