🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑪-後編-』～ 建築家 フレデリック・スチュワート～

🔶前回までのお話🔶

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大須スケートリンク前で、不安げに佇む大輔。

久美子「お待たせ！！」

大輔「どこ行っ・・・　何だ！？その格好！？」

その問いには答えず・・

久美子「ちゃんと見て！」

大輔「！！」

久美子「あっ！」

大須観音駅方向から走って来る、黒いハイヤー。

久美子「あれよっ！！大輔！しっかり振って！！」

大輔「よし！」

久美子「はい！」

大輔「フレデリ～～ック！！」

フレデリック「・・・！？」

大輔「フレデリック！！フレデリ～ック！！」

久美子「ああ・・」

大輔と久美子の必死の呼びかけも虚しく、
ハイヤーは２人の前を通り過ぎて行った。

と、その時—

数メートル先で、ハイヤーが停まった。

久美子「はっ！！！」

大輔「・・・」

慌てて駆け寄る、久美子。
大輔がその後ろを、もたもたと付いていく。

しかめっ面で車を降りてきたフレデリックを、久美子は溌剌とした、満面の笑顔で出迎えた。

久美子「ようこそ！大須商店街へ！」

フレデリック「（怪訝そうに）あなたは？」

久美子「杉山の秘書！松田久美子です！」

大輔「…！？」

久美子「杉山が急遽来られなくなってしまいまして、私が代わりに、アテンドします！」

久美子「先ずは、大須がどんな街なのか、実際に見てもらいます！」

フレデリック「・・・（頷きながら）OK」

久美子「はい。」

大輔「・・・」

山門前―

住人「…遅いですよね？」

住人「遅いねぇ・・」

秘書「・・・」

住人「・・・」

待ちくたびれてざわめく《OSU五番街計画賛成派》の住人たち。

と、杉山の秘書。

その後ろでは―

久美子「こちらが大須観音です。」

フレデリック「そうですか・・」

大輔「（後ろの様子を伺う）・・」

拝殿へ向かうフレデリックの背中を見送ると、久美子も後ろを振り返った。

久美子（よし・・）

こちらの様子にはまったく気づかず、
ひたすらフレデリックの到着を待つ、杉山の秘書と住人たち。

久美子「大輔…！」

大輔「！？」

大輔に目配せする、久美子。

大輔「あ・・（気づいて）おお、おお・・！」

急いで、のぼり旗を返しにいく大輔。

大輔「よし！」

久美子「・・・」

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