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寺山修司の短歌 106 冬の犬

2020.12.25 09:56


冬の犬コンクリートににじみたる血を舐めてをり陽を浴びながら


「冬の犬」は、自分の暗喩か。

「コンクリート」は、何かを覆い隠しているもの。

「血を舐める」のは、ストレスが昂じて感情がコントロールできなくなったりする暗示。

「陽を浴びる」は、陽光を浴びるほかに、今まで注目されなかったものが注目(クローズアップ)される意味も。


(冬の犬が陽光を浴びながら、コンクリートに滲んだ血を舐めているように)病める自分は、今まで抑え込んできたストレスが次第に表面化し、感情がコントロールできなくなっているのだろうか。


by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   

演劇実験室「天井桟敷」主宰   

言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ