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腸と全体、知識と触診

2020.12.27 21:47

知識というのは断片であって、全体ではありません。全体的に物事を知るためには、腸の力を使わなければなりません。 前回から書いているように私が言う腸の力というのは、物事を決定する前にわかっている力です。

触診の技術にはそれが絶対に必要です。ただ触ればわかるというのではなく、腸で物を見るということなのだと思います。もちろん、腸というのは便宜上の話しで、腸を含む全体でということです。そこに思考の入る隙間はありません。


自分が決定する前に、物事が決まっているということを理解すれば、腸と全体の力が、その決定権を持っているということもわかるでしょう。もちろん、その為には、思考を捨てる訓練が必要不可欠です。触る前に分かっているというのが正しい触診です。 

このことをほとんどの人は理解していません。もちろん、鍼灸師でもそういう人が大半です。だから触診の技術がいつまでも上がらないのかもわかりません。 頭でっかちになって、知識が増えても、指が硬くて、指先にばかり意識があります。何の為の触診かわかりません。


このような場合、何を触っているのかが理解できず、知識に頼ろうとする瞬間が思考の中に生まれます。注意深く、これを見つめていないと決して触診は上手くはなりません。また、集中しているふりをするのも全く意味はありません。集中しているふりというのは、時間にあらわれます。時間をかければかける程、意識を集中させることは困難です。

わかるものは一瞬でわかります。これもわかっていない人が多すぎます。


知識や思考は、感じた後に、その結果を分析する為に必要なだけです。知識や思考だけの治療をしているだけなら、医者に任せて検査データを詳細にとって、それだけで評価すればよいわけです。きっと私たちの仕事はなくなります。検査を受けても結果がわからず、改善もしない人達を相手にしているのにそれでは無意味です。


勉強しただけで物事を判断しようとするのは、鍼灸師自らが自分の仕事を否定しているのと全く同じです。知識ではなく、腸と全体が決める決定に従うというのが私たちの仕事といえるわけです。


これができれば、新しいことが沢山わかってきます。まとめるのが難しい程です。私自身も常にこれと戦ってますが、なかなか思うようにはいかないのが現状です。だから自分自身への戒めとして書いています。