メディアリレーションズは、ゴール設定から考えよう。メディアをつうじてファンづくりをするには~第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第3回レポート~
半年間にわたりPRについて学ぶ「第5期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座」を受講する大谷佳菜子です。
メディアリレーションズはPRで使われる施策の1つですが、具体的にどんなことをするのか分からない人も多いのではないでしょうか。
より多くの人に自社の商品やサービスを知ってもらうために、私たちが日ごろ目にするマスメディアやオンラインメディアを利用するときもあります。
そこで、メディア関係者とコンタクトを取り、信頼関係を築いていくことがとても大切です。ではメディアリレーションズをどのように進めていけばよいのか、第3回で学んだことをご紹介します。
プレスリリースは、メディアリレーションズに欠かせない
メディア担当者と接点を作る方法は幅広く、例として以下の方法が挙げられます。
・商品やサービスの最新情報を発信する「プレスリリース」
・メディア担当者に直接アプローチする「メディアプロモート」
・実際にメディアに訪問してご提案する「メディアキャラバン」
・記者発表会、プレス向けイベントを企画する「PRイベント」
特にメディアリレーションズではプレスリリースを執筆することが大切です。「プレスリリースは、企業の資産になる」ということも講座で学びました。新しい商品やサービスが出たときなどにプレスリリースを出すことでメディアの方の目にとまる機会が増えますし、後で検索してもらうこともできます。
どんな商品、サービスを売りたいのか、誰に伝えたいのかを考慮しつつ、その商品・サービスの特性に合わせて適切なものを選びましょう。
メディア選定はまずゴール設定から。目標から逆算して戦略を練ろう
テレビや新聞などのマスメディアから、オンラインメディアまで幅広いメディアがあります。その中でも、どのようなメディアに取り上げてもらいたいかを考えなければなりません。そのためにはお客さまがこのPR活動をとおしてどんなゴールを達成したいのかを具体的にヒアリングしましょう。
たとえば講座では、関西に新しくできた結婚式場の事例が出てきました。このPR担当者は「この結婚式場を、どのエリアにPRしたいのか?」と質問したところ、お客さまは「まずは大阪で流行らせたい」と言っていたのだそうです。この場合、数ある新聞社の中でも大阪のローカル新聞社に取り上げてもらうことで、この結婚式場を地域の人たちにより広められるという考え方ができます。
こうしてメディア選定をするときは、キーワード検索も行いましょう。検索エンジンやニュースタブにお客さまの商品やサービスに合うキーワードを入力します。検索結果の上位記事が、どんな年齢層や性別の人に向けて書かれているかなどを分析することで、適切なメディアを絞ることができます。
どのメディアにアプローチするかによって、メディアリレーションズの結果が大きく変わります。長い目で見て、どのメディアと関係構築をするのが自社やお客さまにとって最適か考えましょう。
メディアでどれくらい広まった?「効果測定」で施策をふり返ろう
メディアリレーションズは戦略を実行して終わり、ではありません。実施後は「効果測定」を行います。効果測定とは、計画したメディアリレーションズ実施したあとに、どれくらい効果があったのかを測定するものです。
具体的には、以下のように幅広い観点から効果を調べてレポートにまとめます。
・プレスリリースが、メディアにどれくらい記事化されたか
・SNSではどのように商品やサービスのことが広まっているのか
・プレスリリースを読んで、メディア関係者はどう思ったか
「どのような施策をしたら、どれくらい効果が上がったか」を可視化することで、次回の施策に活かすことができますし、PR担当者の価値を示すことにもつながりますので効果測定レポートを提案していきましょう。
効果測定のお話をお聞きして、メディアリレーションズはその場限りのものになってはいけなくて、お客さまの将来まできちんと考慮して行動することが大切なのだと思いました。
第3回をふりかえって
私は以前プレスリリースを書いたことがありますが、メディアリレーションズを深く学んだのは今回が初めてでした。自分が書いたプレスリリースが、その後どうなっていくのかを事例とともにお話をお聞きするのはとても興味深かったです。
またメディアリレーションズでも、ものごとを考えたり判断したりするときは経営者視点を持つことが大切なのだと気づきました。PR担当者は経営者目線を持つべきだということは以前から意識してきましたが、ここでもそれは同じなのだと感じました。講座中、何度も「ここでも“経営者目線”が出てきたぞ!」と点と点がつながったような気持ちになりました。
今回でこの講座は折り返し地点に到着しました。後半戦もこの「点と点がつながる」感覚を楽しみつつ、PRについてもっと吸収していけたらと思います。
(執筆:PRライター 大谷佳菜子)