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A recollection with you

窓際で 編ーその5ー

2016.09.07 09:14

お店の中では、オルゴールにアレンジされた曲が流れている。この雰囲気は、詩歩も好きらしい。ふと思いながら、僕は目の前に座る未夜さんと話している。


「気になる?」

「まあ、ウチの店員のことですし」

「ふーん」

「何ですか?」


あえて聴いてみる。


「ゆづくんがここに来るときは、大概何か悩んでるか、考えてるかのどっちかだからね」

「いや、今日は違いますよ」


案の定驚かれた。いつもは鋭い鼻も、今回は匂わなかったらしい。


「じゃあ、何?」

「頼みたいことがあるんですよ」

「へぇ~」

「インテリアのプロである、未夜さんに」


目付きがはっきりと変わって、緊張感に包まれる。


「模様替えの依頼です。それにあたって、1度お店に来ていただ…」


僕が言い終わる前に、


「嫌だって言ったら?」

「それでも、会いにここに来ますよ」


僕は、そう言った。すると、この空間の緊張が、ふっつり切れた。


「ははは、言うわけないでしょ。あなたと私の仲なんだから」

「ありがとうございます」

「ほんっとに、律儀だよね。電話で良いのに、こんなところまで来るなんて」

「変なのは、もちろん認めますよ」


ひとしきり笑われたころ、詩歩がこちらに戻ってきた。


「祐月さん、選びましたよ♪」