寺山修司の短歌 119 きみのいる
2020.12.30 02:27
きみのいる刑務所とわがアパートを地中でつなぐ古きガス管
寺山は一時、同郷の死刑囚・永山則夫と交流があったが、勿論「きみ」を指すものではない。
(犯罪者である)きみが拘束される刑務所と(しがない生活から抜け出したいと願う)私のアパートを地中で繋ぐ古いガス管のように、両者は塀によっては隔てられない何かで繋がっているのかも知れない。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ