オンラインイベント「まちだパパママ給食クロストーーク!!」を開催しました
毎年12月に町田市役所で行われていた、町田市市民協働フェスティバル「まちカフェ!」。
昨年初参加し、給食クイズや揚げパン販売で来場者の皆さまと交流できましたが、今年はコロナ禍で市役所開催が不可能に。
そこで12月12日にオンラインにて、保護者を中心にした市民の方々とのトークイベント「まちだパパママ給食クロストーーク!!」を実施しました。
まちカフェ!の関係者の方を含め、15名ほどの参加者と、2時間近くクロストークさせていただきました。ゲストの市議会議員さん6名、都議会議員さん2名にはオブザーバーとして参加していただき、給食に関する市民の思いをじっくりと聴いていただく貴重な機会となりました。
《内容》
●ゲストの市議会議員・都議会議員の皆さま紹介
とどけ隊斉木・清水からのご挨拶、注意点などの説明に続いて、ゲストの皆さまに一言ずつご紹介しながらご挨拶をいただきました。
町田市議会各会派からお一人ずつご出席くださり、東京都議会の町田選出の議員も2名ご出席くださいました。なお、都議会議員の公明党 小磯善彦様、自由民主党 よしわら修様は残念ながらご都合があわずご欠席でいらしたため、お名前のみ紹介させていただきました。
・市議会議員の皆さまからのコメント
■保守の会 吉田つとむ様
無料化実験を提案して実施されたもののうまくいかず、根本的な変換が必要ということを町田市長も教育委員会も認識している。私自身も我が会派も、議会全体が大きな転換ができるような共通の課題を見つけていきたいと思っている。私は福岡県の出身であり、土門拳さんが撮影した『筑豊のこどもたち』という作品で、給食を食べられない小学生の姿が最も印象的だった。選択制を持続すると、この問題は解消しえないように思う。
私の息子も中学1年生で給食デビューした。給食の改善についてはずっと応援してきたし、どんな方式であっても全員給食に向けてがんばっていきたい。
■公明党 松葉ひろみ様
5人いる子どものうち第2子が中学生の時に、今の中学校給食が導入された。当時いろんなことがあって、そこからさまざま改善されてきたが、今回市長が提供方式を見直すということで大きな転換になると感じている。今日はみなさんの忌憚のないご意見をきかせていただきたい。
■日本共産党 田中美穂様
小3、7ヶ月の子どもがいる。出身の福島では中学校に全員給食があったので、町田に来てびっくりしたのが中学校給食との出会い。みんなが安心して食べられる給食をめざし、議会でも繰り返し取り上げてきた。市民の皆さんからも「中学校給食をなんとかしてほしい」という声をアンケートなどで何度もあげていただいたのが、力になっていると感じる。本日は、皆さんがどういう給食がいいのか、どういう思いをされているのか、たくさんお聞かせいただきたい。
■まちだ市民クラブ 東友美様
我が会派は、誰かが中学校給食問題に取り組んでいるというよりは、会派全体で意見をまとめて誰かが代表して発表している。本日いただいたことを会派に持ち帰って、シェアしていきたいと思う。
■諸派 矢口まゆ様
私は選挙の時の5大政策のひとつとして「中学生みんなが喜ぶ給食に」というスローガンを掲げて市議会に送り出していただいた経緯がある。なので、絶対にやらなければということで、これまで市議会で質問を重ねてきた。今は新方式への移行という話があるが、一朝一夕でできるものでもない。これから何年もかかる問題なので、新方式への移行と一緒に、現行の給食も改善を続けていきたいと思い、力を入れている。
・都議会議員の皆さまからのコメント
■日本共産党 池川友一様
自分は市議会議員のころから、給食問題に取り組んできた。都内でも23区は全員給食。全員給食を東京のスタンダードにしたいと活動している。市民の皆さんに何が求められているのかを学びながら一緒にがんばりたい。
■東京みらい おくざわ高広様
最初は「給食ってどういうのがいいの?全員給食にしなくてもいいんじゃない?」くらいに思っていたが、とどけ隊の活動や、今回のコロナの影響もあり食事がいかに大切かということに気付かされた。子どもたちが安心して栄養豊富な食事をとれること、給食の時間を通じてコミュニケーションを図ることが大切であると改めて思った。都議会議員として何ができるかを考えているところであるが、町田を皮切りに、給食について超党派で議論していけるような場を作っていけるとよいと思っている。
●スライド「町田市の学校給食、いまどうなってるの?」
とどけ隊斉木・清水から、町田市の小学校給食と中学校給食の現状や直面している課題、他自治体の給食事情など、スライドをもとに約10分ほどで解説しました。
●参加者の自己紹介とクロストーク
小学生保護者が多い傾向でしたが、実際に毎日お弁当を作っている中学生保護者、未就学児保護者、まちカフェ関係者など、さまざまな参加者が集まってくださいました。自己紹介とともに、好きだった給食をお話しいただき、その後意見交換をしました。
1.自己紹介兼フリートーク
・町田は農家さんがたくさんあるので、地産地消がもっと進んでほしい。中学校給食でも町田のおいしい野菜を使ってほしい。
・中学校給食の現状について、最近知って衝撃を受けたので、くわしく知りたいと思って参加した。
・自分はまだ小学生保護者だが、働いているのでお弁当作りの負担が心配。子どもが中学生になるまでに実現してほしい。
・町田の小学校給食は、子どもがおいしいといって喜んで食べている。これまで、小学校給食が好きじゃない子に出会ったことがない。中学校給食も小学校の給食のようになってほしい。
・大人もおいしいお昼ご飯、温かいご飯を食べたら元気になれる。ささやかでも中学生がホッとできる時間が増えたらよい。
・まだ小学生保護者だが、お弁当を作ることだけでなく片付けのことも考えると、きょうだいも多く夜勤もあるので大変。
・子どもたちの学習支援にかかわっているが、子どもたちの食の状況はさまざま。何らかの事情でお弁当を持ってこられない家庭の子は、コンビニで買うことが多い。みんなで食べていない給食では利用しにくいし、「お弁当を作ってもらえない家庭」と思われるのがつらいのだと思う。全員給食になり「同じ釜の飯を食べる」ことで、より繋がりが深まると思う。
・自分の故郷では当たり前に中学校給食があったので、東京なのに給食ないの?とびっくりした。早く全員給食になってほしいと思っていたので、ようやく実現しそうで毎日ハッピー!
なお、好きだった給食では、「揚げパン」「ソフトめん」などが人気でした。「冷凍みかん」「かた焼きそば」「ぶちぶちに切れた焼きそば」「みそラーメン」「不思議な不思議な目玉焼き」という声もあがりました。
・とにかく食べる時間が短い。コロナで前を向いてしゃべらず食べているにもかかわらず、時間がない。頼む人が少ないので、利用したくても利用できない人も多いし、冷たさの問題もあり子どもはおいしくないという。お弁当を作ると洗いものも増えるし、常に頭のどこかで弁当のことを考えている状態。土日に弁当のおかずを作り置きしている友人の話も聞く。
・娘のお弁当のメインは、彼女の好みの冷凍食品。マンネリ化しているので、栄養バランスを考えると給食を食べてほしいが、嫌がられてしまう。以前、給食を注文している中学生女子に話を聞いたら、時間的にも量的にも無理があるので男子にご飯はあげていたそう。
・ご飯は温かいが、水っぽいのが気になる、量が多いと子どもが言っている。
・自分だけが給食なのが「みじめだ」と子どもにいわれてしまい、みじめな思いをさせるくらいならと、必死に弁当を作っている。デリバリー弁当給食の中身を改善できたとしても、子どもの「恥ずかしい」という思いがなくならなければ、頼む人は少ないのではないかと思う。地域の人から「お弁当を作ってあげることは今しかできない」「愛情表現」といわれることがあり、モヤモヤ……。お弁当を作らなくても、作っても自己嫌悪に陥ってしまう。
・帰宅が遅いので朝しか子どもに会えない。子どもと一緒に朝ご飯を食べたいが、お弁当と朝食と夕食を作るのに必死で、毎日バタバタ。お母さんが働いている家庭はどこも同じような状態なのでは。
・「ひとり親家庭・フルタイム勤務など、弁当を作れない人は給食を頼めばよい」と考える人もいると思うが、忙しい人ほど子どもに負い目があり、給食を頼むに頼めない。子どもにかわいそうな思いをさせたくなくて、普通の家庭以上にがんばってしまうところがあると思う。
3.今年の休校中の家庭の食の状況や、給食が再開したときはどうだった?
・給食みたいに昼食をバランスよく作れず、困った。
・農家さんが野菜を給食に卸せず困ったことはなかったのかどうか、気がかりだった。
・小学生の子どもは、簡易給食のときに「量が足りない」とおなかをすかしていた。普通の給食に戻って喜んでいる。世界のメニューなど、家庭以外のいろんな味を子どもが知ることができてありがたいと思っている。
4.中学校給食の今後について、気になっていること
・町田一中のように建て替えが済んでしまっていると、中学校給食の実現が難しくなってしまうのではないかと懸念している。親子方式であれセンター方式であれ、新方式に移行すると税金が増えるのか?なども気になっている。
・アレルギーは些細なことでも強い症状が出てしまって命にかかわる。アレルギー食材を載せた食器は、洗って消毒してもアレルギーのある子に症状が出てしまうと聞く。厳重な対応が必要だと思う。
・何年かかっても親子方式の給食を実現してほしいと思う。今後、小中学校の統廃合があると思うが、給食室も新しく納得のいく形を目指してほしい。
・自校給食が理想だが、教員の立場としては、忙しすぎて配膳指導などに時間や労力をかけられなくて、デリバリー式で助かっている。
最後に、とどけ隊清水・斉木から、皆さまのおかげで新しい提供方式への転換が進みつつあること、これからも市民の皆さんの声を議会などに届け、そして議会や市政の動向を報告していきたいことを伝えて、一旦終了しました。
その後、残れる人だけでクロストークを続けさせていただきました。ゲスト議員の方々も多数残ってくださり、ご自身の子育て体験談(4人以上の子育てについてのお話も!)など、貴重なお話をざっくばらんに話していただきました。
イベント全体を通じて、子育てや給食について参加者全員で時に真剣に、時に穏やかに話し合うとても素敵な時間となりました。市民の皆さんの切実な思いに、真摯に耳を傾けてくださっていたゲスト議員の方々の表情が印象的でした。
年末のお忙しい時期にお時間を割いて参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました!