寺山修司の短歌 124 目の前に
2021.01.01 03:45
目の前にありて遥かなレモン一つわれも娶らむ日を怖るなり
「レモン」は、高村光太郎の「レモン哀歌」から引用された(智恵子との)壊れやすい愛の絆の象徴。
「娶る」は、妻として迎える。
目の前にあるのに、遠くに感じる(壊れ易い愛の絆を象徴する)レモンが一つ。私も妻として迎える日を怖れているのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ