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The Weekend Traveler

密避け擬似帰省 佐世保の旅

2021.01.03 12:24

あけましておめでとうございます。

また緊急事態宣言出る前のお話。


遂に一度も海外に行けないまま幕を閉じた2020年を経て、密避けという新たな秘技を身につけ今年一発目の旅に出ました。


行き先は長崎。

ほぼ帰省です。

というか去年の福田会議で年末年始の離散を命じられたので宙に浮いた変更不可チケットをそのまま使った形。

長崎空港の国際線は丸ごとシャットダウン。

始発で降りたったせいでも年始のせいでもなく臨時休業の空港レストラン。きっといつか復活してね。

横浜中華街あたりから来て長崎中華に迎えられる中華まみれの女。



さて、時は正月、時はコロナ禍。

迎えに来た20年来の友人1人が今回の旅の供。


全くのノープランだったんで、九州が誇るファミレス、ジョイフルで朝ごはんを食べながら行き先を決める。



船が動いてそう!

というわけで、映画にもよく登場する教会がある黒島へ渡ることに。

米軍の海軍基地や自衛隊がある佐世保国際港を経て、黒島行きの船が出てる港へ。

この港と船の感じ、長崎の対岸にある故郷天草でもよく見る風景。

こうやって車ごとフェリーに乗って小さい頃はよく島原へ行ったもんだなんて懐かしく思いながら。

しかしなんと残念ながらこのフェリー乗り場は無人…

年末年始ダイヤで調べた時刻と変わっていて次の船の時間まで切符売り場も開かない様子。行っても帰って来れなそうなので断念。

コロナ禍の旅では諦めも肝心。


近くに九十九島が見渡せる公園があるってんで行ってみる事に。

長い串と書いてなぐし公園。

九州お得意のだだっ広い駐車場とただただ広い公園に、密って何状態。


運動不足のアラフォー2人、山道を歩いて展望台を目指す。

キャンプサイトもある広い公園。落ち葉でふかふかな歩道。


展望台まではなかなか急な坂道をめちゃくちゃ不均衡な段差の階段を登って、ふくらはぎパンパンになりつつようやく一番上の展望台へ。

雨上がりだったけど、振り返るとこの景色。

九十九島の一角が見渡せる。

南シナ海と有明海に挟まれて育った我々、海を見るとスカッと気分が晴れる。

展望台には金比羅さまの鳥居と祠があって何を祈願したかは山道きつすぎて忘れたけど、とにかく合掌。


また膝をガクガクさせながら下山し、次の目的地へ。


近くに昔ながらの町並みが残る町があるらしいのでもう一息北上。


着いたのは江迎(えむかえ)という町。

長崎はいちいち地名の読みが難しい。


平戸の宿場町として栄えた江迎。

きっと平成の大合併前は独立した自治体として機能してたんだなと思われる立派な役場や警察署。

今は佐世保市に吸収されている。

天気悪くていまいち写りが悪いけど、武家屋敷みたいな警察署。リノベしたみたい。

重みがあってかっこいい建物だった。

コンビニの一角を占める軍手の大群。しかも2種はソールドアウト。

他にも地域のイベント情報やサークルの募集の貼り紙があったりコンビニ以上の役割を担っているデイリーストア。

そして懐かしの面々との再会。

竹下製菓が傾くようなことがあればいくらでも課金する気負いの民は大勢いると思われる、九州出身者の原風景アイス。

他のコンビニでもちゃんぽんに皿うどんが並ぶ。給食にもちゃんぽんとか皿うどんは当たり前にあったのでどんな提供のされ方だったかしばし友と思い出話。

食の記憶は意外と深いアイデンティティなのかもと思ったりしながら。


江迎がニッチすぎて見るべきスポットに出会えなかったので、帰路につきつつ、来る時発見した、「日本本土最西端の地」へ行ってみることに。

案外大きめの集落の先にその地はあった。


たぶん底引網の船と思われる船がたくさん泊まっていてかっこよかった。

網もすごく大きくてたくさんあってナウシカの王蟲みたい。



九州とはいえ冬は寒い。

そして換気のために車の窓もずっと開けて、まさかこんな外に出歩くと思ってなくてピラピラコートのわたしには発狂したい寒さ。

そうよね。日本の陸地の最西端ですもの。吹きっさらしで然りなんだけど。。

こんな道をまた歩いてひたすら展望台を目指す。

天気悪いながらもなんだか神々しいじゃないか。

天から降臨系か水面から登場系かどっちもありそうな、まさにCGみたいなリアルな風景。

冬の海風浴びながら丘を登ったらこんな景色だなんてますます神さま感じるひと時。

日本本土の東西南北最果ての地は最果て同盟みたいの結んでいるらしい。

日本の最西端の波照間島は自然とか文化が独特で「果て」感あって、到達した時にはきっと果てまで来たな〜という感じかもしれないけど、陸地の最西端は暇つぶしのノリでちょろっと立ち寄れる気軽な場所でした。

夕飯はうどん。西はやっぱりそばじゃなくてうどんよね。

牧のうどんは福岡のチェーンだけど佐世保のこの店舗が本店より美味しいんだとか。



九州は盛りがいいことが正義みたいなところがあって、東京でも丸亀製麺にはよく行くけど絶対1人前が2人前の量、これ。

やっぱり九州のわかめはおいしいなーなんて思っていたのは序盤だけで途中からフードファイターみたいな気持ちと勢いで完食。

ひさびさのパンチの効いた量に怯みかけたけど、振り返ると、やはり九州のうどんもつゆも海老もわかめも美味しくて、故郷の味渇望細胞に深く沁み入った感じがした。

夕方、日が落ちたら早々に解散し、この日はおしまい。

長崎のみなさんもコロナ対策はとてもしっかりされていて、どこに行くにもまず消毒、めちゃくちゃ寒いけど飲食店の窓は開放、何よりどこも人がいない…


それでも東京の密地獄から向かうにあたっては、朝4時起きで移動したり色々と対策してなんなら年末には会社でPCRさえ受けてから出た。

何がなんでも帰りたかったわけではないし、本物の故郷ではないけども、ほとんど同じような海辺の景色とほぼ変わらない方言に触れて、仕事で忙殺されて死滅しかけていた細胞が蘇った気がした。

擬似帰省は2日目に続く。