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『フィールド・オブ・ドリームス』

2021.01.06 11:16


『フィールド・オブ・ドリームス』(Field of Dreams)は、野球を題材にした古き良きアメリカのファンタジー映画で、1989年に公開された。


原作は、ウイリアム・パトリック・キンセラの小説『シューレス・ジョー』で、フィル・アルデン・ロビンソン監督が映画化。ケヴィン・コスナーが主演した。



あらすじ


アイオワ州の田舎町で農業を営む主人公は、若い頃に父親と口論の末に家を飛び出し、父が亡くなるまで一度も顔を合わせる事がなかった事を心のどこかで悔やんでいる。


ある日の夕方、「それを造れば彼が来る」という謎の声を耳にした主人公は、意を決して所有しているトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を造り上げる。


ある日の晩、その球場に“シューレス”ジョーが忽然と姿を現したことから、野球好きの亡者たちとの奇跡の物語が幕を開ける。


“シューレス” ジョーとは、マイナーリーグ時代に、ある試合で裸足でプレーしたことからその渾名が付いた元メジャーリーガーで、とある八百長事件で球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えたジョー・ジャクソンのこと。


〜・〜


この映画はボクの好きな映画のベスト5に入るものだが、これを「ツマラナイ」「現実離れしている」と評する意見も目にした。人はそれぞれ置かれた環境も違えば経験値も異なり、自分が好きだから必ずしも他人も好きだとは限らない。


ただ、ボクの言いたいことは、これは大人のファンタジーで、野球に魅せられた男のロマンである。そこにどこまでリアリティを求める必要があるのか、ということ。


野球で悔いを残したまま、医師に転じて生涯を終えた“ムーンライト” グラハムが、「夢の球場」に招待されて野球を心ゆくまで楽しんでいる時、主人公の娘が観覧席から転落する。

一度フィールドを出たら二度と戻れないと知りながら、応急処置を施す為にフィールドを一歩踏み出したグラハムは、娘を救った後「妻も心配しているだろうから」と笑みを浮かべて帰って行く…このシーンは何度観ても泣ける。

最後に野球選手として打席に立つ夢を叶えた彼は、医師としての人生にも使命感と誇りを持っており、満足して妻の待つあの世に帰ったのだろう。


“ムーンライト” グラハムとは、メジャーリーグでは一試合だけ守備で出場したものの、結局打席に立つことがないまま野球選手を引退。その後、ミネソタ州で開業医として生涯を終えたアーチボルド・ライト・グラハムのこと。


若い頃、冒険しようとしない父に反発し、父のようにはなりたくないと思っていた主人公。その彼がユニフォーム姿の若き日の父と再会し、キャツチボールをするシーンで、父に対するわだかまりが解け、素直な気持ちで父と向き合えた姿にまたまた涙が…。


ユニフォーム姿の若き日の父は、その後、メジャー・リーガーの夢が破れ、その夢を息子に託すが、息子はそれが嫌で堪らず、早々に家を出る。ところが、ライ麦畑ならぬ「トウモロコシ畑でつかまえて」くれたのは、他でもないキャツチャー姿の父だったのだ。

果たして、冒頭での「謎の声」は誰のものだったのか?


ツマラナイと感じた方は、大人になってからもう一度見返してみてはどうだろう。もしかしたら、違った見方ができるかも…知らんけど。


“シューレス”ジョーと主人公

若き日の“ムーンライト”グラハム

老医師となったグラハム

観戦する作家テレンス・マンと主人公夫婦

※ テレンス・マンは、原作では「ライ麦畑でつかまえて」のJ・Dサリンジャーとして描かれる

キャッチャー姿で現れた若き日の父と主人公