女子鉄ひとりたび: “裕子流鉄道旅”に同行すると、日本が愛おしくなる

によって 木村 裕子

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ペーパーバック : 231ページ ページ
作者 : 木村 裕子
出版社 : ベストセラーズ (2019/12/25)
コレクション : 本
ISBN-10 : 4584139415
フォーマット : 単行本
発行日 : 2019/12/25
平均的な顧客フィードバック : 3.9 5つ星のうち（1人の読者)
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「○○ひとりたび」というタイトルは数あれど、本当に「ひとり旅」なのは意外に少ない。つまり、それだけエンターテイメントにはしづらいテーマなのだろう。だが、しかし、この本は違うぞ。「永遠の少女」のように清楚な雰囲気をたたえる作者が、孤軍奮闘、地方で出会った人の良い人たちに支えられながら、大きく成長していく姿が書きこまれている。一番の読みどころは、やはり巻末に出てくる「立山」の専用軌道レポートだろうか。さすがにハードすぎる区間ゆえ、さすがの作者も「ひとりたび」というわけにはいかなかったみたいだ。出版社側もタレントさんゆえ、ひとりでこんな危険な場所に行かせるわけにも行かなかったのだろう。ボディガード代わりに、編集者を二名も同行させた豪華な「かつてのドリカム状態」であることは、正直に書いている。これは評価すべきだろうと思う。でも、このトロッコだけは、お金を出せば誰でも乗車できるといった代物ではない。「抽選」と「天気」という二段階の強運が味方しなければ決して乗れない鉄道であるが故に、多くの鉄道ファンでさえ、未知の世界である。木々の匂い、草の香り。一歩進んで、二歩下がる。４０か所以上もあるスイッチバックに、頭もクラクラ。意識も朦朧。読んでるだけで、心地よい乗り物酔いを味わえる。まるで作者と共に、汗と泥にまみれながら、ハードな旅行をしているような気分になってくるから不思議だ。