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Baby教室シオ

偉人『本田宗一郎』

2021.01.08 03:00

年明け第一弾、誰にしようかとあれこれ考えを巡らせていた。昨年の混沌とした年はまだ続き、子育てもしばらくは不自由さを強いられそうだ。だからこそ不自由さや不安を払拭するだけのバイタリティーに溢れる人物の登場が必要だ。

さすればこの人しかいない!!「世界のホンダ」と言わしめた本田技研工業の創業者であり、天才技術者と呼ばれた本田宗一郎氏だ。

今回は生い立ちを語ることからはじめる。実直な鍛冶職人を父に持ち、母は愛嬌ある機織りの名手。家は貧しかったものののびのびと自由に育てられた。ただし他人に迷惑をかけることを何より嫌い、また時間を守ることを徹底し教えた厳しい父の要所の躾があった。

本田氏の育ちは親の躾のものさしが明確で、そのものさしから逸脱することなくその枠の中で自由奔放に育ったのである。昨今の自由だけを前面に打ち出した子育てではなく、人たるものはという哲学の上に成り立つ自由である。

今回は彼の名言をお借りして子育てのヒントになる内容を少し掘り下げることにする。

この屈託のない笑顔、部下を叱咤激励した後に頭をかいて反省するときに良く見受けられたポーズらしい。技術者と経営者として部下や社員を牽引する立場でありながら一瞬身近にいるおじいさんのような魅力はどこから来るのだろうか。それは先述した通り厳しさと愛情深く育った家庭環境に所以していることは間違いない。それでは名言を取上げていく。


第一の名言・・・『人間にとって大事なことは学歴とかそういうものではない。他人から愛され、協力してもらえるような徳を積むこと。そしてそういう人間を育てようとする精神なのだ』

経営者としての人材育成を主とする発言であろうが、その発言は子育てに置きかえ考えることができる。

人格形成時期の子にとり大事なことは、他人から愛される子に育てること。そのためにはやはり無条件の愛情とメリハリのある躾である。人から愛される子に育てるには明朗さが何よりだ。朗らかな挨拶ができる子はその時点で人に気持ち良さを与えている。その明朗さこそが人の心を掴むことであり、それは時としてその子の第一印象になる。また人に対して思いやりのある子は、自然とそのような行動をとるものである。すると人からもその恩恵を受ける。それが人の協力であり、その子のためなら一肌脱ごうという気持ちにさせるのだ。そのような子に育てるためにどうすべきか。それはとても簡単だ。

『幼児には朗らかで明るい挨拶を心掛けさせよ。素直でいることを教えよ』この2つは子が人生を歩む上で最大の魅力になり、世渡りをする上での武器になる。

本田氏も父親から厳しい躾を受け、母からは明るさを受け両親の愛情深さを一身に受け育っている。彼の厳しさと人を思いやる哲学的思想は両親から受け継いだのだ。

第二の名言は親御さん自身に心に刻んでほしいものである。

『人類の歴史の中で本当に強い人はいない。いるのは弱さに甘んじている人間と強くなろうと努力をしている人間だけだ。』

この名言は私が某企業で失敗した時に職場の大先輩から贈られた。「逃げるなよ、少し休んで立ち上がれ。逃げたら同じような状況が再び形を変えて降りかかるぞ。そのたびに逃げていてはどん詰まりの袋小路に入るだけだ。そんな人生に何が残る・・・弱さだけが残る、それでいいのか。」強烈な言葉に足が震え厳しい発言に打ちひしがれたが、憤慨する感情も、泣く感情も沸かなかった。今から思えばその発言が真理を突いていたからだろう。

子を育てることはキラキラと輝くものばかりではない。疲れることも逃げたくなるようなことも、時には感情が高ぶり人を攻撃したくなることもあるだろう。ただ冷静になったとき我に返ってほしい。真理とは何たるかを。

子育てとは子を育てるだけのものではない。先ずは親としてどう育つかが重要なのだ。

子に課題がある、思うように育たない、何度挑戦しても修正できない・・・これら全ては親が子をどうにかしようともがくからだ。厳しいことを指摘されたときに子をどうにかしようとせず、先ずは親としてご自身を俯瞰するそれだけだ。すると自ずと結論は出る。

不思議なもので母子は見えないへその緒で通じている。母が弱いと子も弱い。母が朗らかだと子も朗らかで、母が激高しやすいと子もそう似てくる、母が優しさの塊のような人だと子は輪を掛けて優しい。

母は強くあれとは言わない、がしかしどんな状況下でも冷静に判断し努力する姿勢を子に示すべきであると考える。疲れたときには休めばいい、しかし休んだら必ず前向きに善処してほしいと思う。一度逃げてしまうとまた必ず逃げたくなることが起きている親子を目にしてきた。このような時に思うのは、『逃げ道は行き止まり』という某大手企業の会長になっている大先輩の言葉だ。子は常に親の姿勢を見ている。

本田氏がピストリングが作れずもはや限界かと追い込まれたとき、一から学び直す勇気を持ち実行をし問題解決を成している。また『進歩とは反省の厳しさに正比例する』とも語っている。私が見ていて難題に取組んで真摯に受け止めてくださった保護者さんとお子さんは確実に人として善処し強くなろうと努力し成果を上げているのだ。なんと美しい人生なのだろう。本当に頭が下がり尊い学びをさせていただいている。

本田氏の哲学的発想や生き方は実直な父の厳しい躾から形成された。仕事に対する真面目さや几帳面さは父の職人能力から、そして臨機応変さや創意工夫、独創性は父の研究熱心さを見て育ったからに違いない。そしてどんなに人から批判されようとも恨まないという発言からも分かるように、彼の土台には親の愛情と真摯に生きた親の後姿があった。親が子に見せられるもの、示すことができるのは親の人生そのものだ。

親も人間である。間違いも失敗も、時には後悔もするがその後には精一杯努力することや喜びを信じて行動することこそが必要ではなかろうか。間違ったっていい、失敗してもいい、その後の行動こそがその人の才覚なのだと思う。

どうぞ子育てに限らず心折れそうになったときに読み返していただけると有難く存じます。


今年一年多くの先人たちから学ぶべき多様な種を拾い上げていきます。その中から一粒でも人生の種蒔きのヒントになるよう邁進してまいります。